ロッテの若手・中堅選手たちの課題、それは生え抜きの若手・中堅が2年続けて活躍ができていないことだ。
小島和哉が5年連続規定投球回到達、種市篤暉が2年連続規定投球回到達、横山陸人が2年連続40試合以上に登板するなど、2年続けて結果を残しているが、野手では規定打席を基準に見ると、2年連続で規定打席に到達している選手は20年以降、中村奨吾のみで、2年連続で規定打席に到達している打者がいない。
20年に安田尚憲が初めて規定打席に到達しレギュラー定着が期待されながらも、なかなかレギュラーを獲得できず。22年には髙部瑛斗が盗塁王、ゴールデングラブ賞を受賞し、レギュラーを掴んだかのように見えたが、23年は故障で一軍出場なし。24年は7月に月間MVPを獲得するなど規定打席に届かなかったものの打率.300をマークし、今季は不動のレギュラーかと思われたが、開幕直後は打撃の状態が思うように上がらず、二軍落ちを経験。8月以降に打率.337と打ったが、不動のレギュラーとはいかなかった。
同じ22年に山口航輝がチーム最多の16本塁打を放ち、翌23年に初めて規定打席に到達したが、昨季は2本塁打にとどまり、今季は8月20日の楽天戦の第4打席から翌21日の楽天戦の第3打席にかけて4打席連続本塁打を放ったが一、二軍を往復。
佐藤都志也は24年にリーグ4位の打率.278をマークし“打てる捕手”として活躍し、シーズン終了後にはプレミア12の日本代表に選出され、正捕手として期待された今季は、怪我に泣かされ68試合の出場にとどまった。
投手陣でも昨季51試合に登板して27ホールド、防御率0.73の成績を残した鈴木昭汰は今季、29試合に登板して防御率4.82。昨季夏場以降、吉井理人前監督から握りを教わったフォークを武器に一軍定着した菊地吏玖は、今季勝ちパターンに名乗りをあげるかと思われたが、21試合に登板して防御率は5.32だった。
それでも、今季は野手では藤原恭大、西川史礁、寺地隆成の3人が初めて規定打席に到達し、山本大斗もチーム日本人最多の11本塁打を放ち、規定打席に届かなかったが打率.264をマークし守備でもオールスター明けは無失策だった小川龍成、4年目で多くの部門でキャリアハイの成績を残した池田来翔、プロ初本塁打を放った2年目の上田希由翔といった若手が経験を積んだ。投手陣でも高野脩汰がロングリリーフでスタートするも、徐々に序列を上げていき最終的には勝ち試合の8回を担当すれば、高卒2年目の木村優人は開幕をリリーフで迎え、シーズン途中から先発に転向してプロ初完封を挙げるなど3勝をマークした。前半戦は中森俊介、田中晴也、後半戦は廣池康志郎が存在感を示すなど、野手も投手も成長は見せている。
ただ、“育っているようで育っていない”、“育っていないようで育っている”のが現状だ。
サブロー監督は若手選手たちが2年連続結果を残せていない原因について訊くと、「練習が足りないんだと思います」とキッパリ。「いっぱい練習して、きつい練習して、そういうことを言われないような選手たちを作っていきたいと思います」と力強く答えた。
来季、サブロー監督のもと、若手が躍動し、一人前になる選手が一人でも増えれば、今季よりも順位は上がっているはずだ。
取材・岩下雄太