楽天・三木監督 (C)Kyodo News

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは第6戦までもつれ込んだ。果たしてソフトバンクと日本ハムのどちらが、セ・リーグ覇者・阪神が待つ日本シリーズに駒を進めるか。

 レギュラーシーズンから熱い戦いを演出した2チームだが、その陰で最後まで優勝争いに絡めなかったのが楽天だ。

 今季は5年ぶりに指揮を執った三木肇監督の下、5月上旬以降は一度も貯金生活を送ることなく、最後は4位で終戦。9月に入り、3位オリックスに逆転可能なところまで追い詰めたが及ばなかった。

 そんな楽天に大きなニュースが舞い込んだのは今月14日だった。7月に加入したルーク・ボイトと来季の選手契約を締結した。来日直後は日本の野球に苦しんでいたが、8月以降は打率.339、10本塁打、31打点と大活躍。メジャーで本塁打王の実績もある助っ人の残留は、チームにとってこれ以上ない“補強”となったはずだ。

 なにせ、今季の楽天は長打力不足に泣き、両リーグ通じて最少本塁打に終わった。2桁本塁打を記録したのは、半分しか稼働しなかったボイトだけ。もし来季、フルシーズン働くことができれば、40本塁打前後も期待できるだろう。

 ただし、楽天は生え抜きの主力選手2人の流出危機にも直面している。

 1人目が守護神の則本昂大。チームの功労者と呼べる存在だが、今季で7年契約が切れ、海外FA権を行使する可能性が高まっている。また、国内の他球団へ移籍する可能性もあり、チームとしては何とか引き止めたいところだ。

 そして2人目が、外野手の辰己涼介。こちらは国内FA権を取得したが、本人は以前からメジャー挑戦の意思を示しており、今オフのポスティングによるメジャー移籍を球団と交渉中だという。

 もしチームの顔ともいえる2人が流出すれば、楽天にとって大きな痛手となるのは間違いないだろう。

 ただし、両選手とも決して代えが利かない選手というわけではない。則本は守護神に転向後の過去2年間で48セーブを挙げているが、どちらも防御率は3点台。奪三振率やWHIPなども守護神として物足りない成績が残っている。

 それなら今季12セーブを挙げた藤平尚真をクローザーに固定し、成長を促した方が長期的にはチームにとってプラスになるはず。実際に、今季の防御率など主要スタッツは、藤平が則本を大幅に上回っていた。

 また、辰己に関しては2年連続20盗塁を決めた足や、4年連続ゴールデングラブ賞を誇る守備力は相変わらずだが、今季は打撃面で持ち前の勝負強さが全く見られなかった。打率は昨季の.294から今季は.240へ悪化し、得点圏打率に至っては、.323から.179へ急降下した。

 仮に辰己が抜けても、残留するボイトのほか、ゴールデンルーキー宗山塁や、今季ブレイクした黒川史陽らのさらなる成長が見込めるため、打線にそれほど大きな痛手とはならないだろう。

 また、楽天にとって重要な“補強”の一つが指揮官の来季残留である。

 楽天といえば、毎年のように監督の首をすげ替えることで悪名高いが、このオフは三木監督の来季続投を発表済み。三木監督は、今季の反省点を踏まえて来季に臨むことができる。

 今季の楽天は1点差の試合で、28勝16敗と勝負強かった。特にオールスター以降は15勝5敗の好成績。それだけ接戦をものにしているということは、選手の活躍はもちろん、監督の手腕によるところも大きかったはずだ。

 また、楽天の過去の監督を見ると、2年目に成績を伸ばすケースが多い。これまでに2年以上指揮を執った監督は4人いるが、そのうち3人が2年目に順位を上げていた(野村克也6位→4位、星野仙一5位→4位、梨田昌孝5位→3位)。

 今季まで4年連続4位とCSにあと一歩手が届いていない楽天。三木監督は、前回叶わなかった勝負の2年目でチームを高みに導くことができるか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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ベースボールキング編集部

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