今季2017年以来の最下位に沈んだロッテ。交流戦から若手選手が積極的に起用され、藤原恭大、西川史礁、寺地隆成の3人が規定打席に到達し、山本大斗はチームの日本人ではトップとなる11本のアーチを描いた。投手陣でも木村優人が開幕からリリーフで存在感を示し、シーズン途中に先発転向後も登板間隔を空けながら1年間戦い抜き、中森俊介、田中晴也も前半戦の投手陣を支えた。
若手の台頭が目立った中で、注目を集める世代のひとつが“2005年世代”。この世代は22試合に登板して3勝2敗5ホールド1セーブ、防御率3.31の成績を残した木村、『マイナビオールスターゲーム2025』に出場するなど打率.256、5本塁打、33打点をマークした寺地、プロ初登板を含む9試合に登板した早坂響、育成の武内涼太、富山紘之進、松石信八、藤田和樹、23日に行われたプロ野球ドラフト会議で育成2位で指名された高橋快秀もこの世代にあたる。
29日から始まった秋季キャンプには木村、寺地、富山、松石の4人が参加している。シーズン中にこの4選手に“同学年”の選手たちについて話を訊いてみると、寺地と同じ捕手の富山は「毎日刺激をもらっているので、寮とかでもテレビついているので、寺地が出ているところも見ていますし、自分も早くそこの舞台に行きたい気持ちがあるので、日々頑張っています」とライバル視。
松石も「自分は寺地にバッティングでは勝てませんし、木村はピッチャーだからあれなんですけど、まだまだという気持ちが正直あるので、早く追いつけるように頑張っていきたいと思います」と、闘志を燃やした。
一方、シーズン通して一軍でプレーした木村、寺地の2人は“同学年”の選手たちについてどう思っているのだろうかーー。
木村は「寺地の活躍を見ていると悔しいではないですけど、自分ももっともっとやれるんじゃないかなという部分と、同じ同級生ではあるので一緒に頑張りたい気持ちもあります。どうしても自分の結果を気にしてしまって、寺地の活躍を見ていると、すごいなじゃないですけど、自分も負けていられないなという気持ちになります」と、寺地の存在が木村自身を高めている。
木村、富山、松石の3人から名前が挙がった寺地は「負けたくないなと思いますし、昨日(8月5日)の前田だったら同級生だからこそ打ちたいというのが一番あります。(隣で取材を受けていた木村にも)こいつにも負けられないです」と切磋琢磨する間柄だ。
寺地に同学年の選手たちの存在について訊いたのが8月6日のソフトバンク戦の試合前練習で、前日に同学年のソフトバンク・前田悠伍が先発していたこともあり、“世代の顔”になりたいか質問をぶつけると、「えへへ、そこまでの選手だとは僕は思っていないので、前田がなってくれるんじゃないかなと思っています」と謙虚に話しながらも、「それに負けないような結果を出したいと思います」と決意。そして、プロ野球選手として寺地は「彼ら以上の結果を残していきたいです」と意気込んだ。
プロ野球選手として2年目を終えたばかりの“2005年世代”。ロッテが最後にリーグ優勝したのが2005年。この世代の選手たちが中心になった時、リーグ優勝が見えてくる。
取材・文=岩下雄太