前田健太が6日、自身のインスタグラムを更新し、「来シーズンから日本でのキャリアを続けることにしました」と日本球界に復帰することを明言した。
前田は日米通算165勝の実績のある“先発型”の右腕。今季の12球団で先発が手薄だった球団を見ていくと、まずはセ・リーグ最下位のヤクルトが挙げられる。ヤクルトはチーム先発防御率12球団ワーストの3.89。規定投球回に到達した投手は誰もいなかった。
慢性的な先発不足が続いており、直近10年で規定投球回に到達した投手を見ると、小川泰弘と既に退団しているブキャナンの2人のみ。ブキャナンが17年と18年に規定投球回到達と、21年以降の5年間で規定投球回に到達した投手は小川しかいない。21年は規定投球回到達者なしでリーグ優勝を達成し、翌22年も規定投球回に到達したのは小川のみだったが、リーグ連覇を達成した。23年から3年連続で規定投球回に到達した投手は誰もいないのが現状だ。
吉村貢司郎、奥川恭伸、高橋奎二といった期待の中堅はいるが、先発の頭数は少なく、今年のドラフトでも1位、2位に指名したのはいずれも内野手だった。近年の投手事情を考えると、ヤクルトは先発が不足していると言える。
パ・リーグ4位の楽天も先発陣が手薄だ。チーム先発防御率はリーグワーストの3.72で、ヤクルトと同じく規定投球回に到達した投手は0。今季、チームで最もイニングを投げたのが藤井聖の109回2/3、次いで大ベテランの岸孝之の109回。早川隆久、荘司康誠といった期待の若手、中堅はいるが、先発の頭数は足りていないことに加え、長いイニングを投げられる先発が少ない。リリーフ陣に負担がかかっているというのが状況だ。
DeNAもケイ、ジャクソンといった外国人の去就次第では先発が手薄になる不安がある。東克樹がチーム最多の14勝、160回1/3を投げたが、外国人選手を除くと、東の次にイニングを投げたのが石田裕太郎の90回2/3というのは気になるところだ。
巨人も山﨑伊織が規定投球回に到達し、シーズン自己最多の11勝を挙げたが、エースとして期待された戸郷翔征は8勝9敗と苦しんだ。先発候補はいるが、軒並み苦しみ、シーズン最終盤は先発陣の駒不足気味だった。
前田健太の古巣・広島は森下暢仁、床田寛樹がおり、森翔平、玉村昇悟をはじめとした若手・中堅もいる。打線が心配ではあるが、先発陣が不足しているかと言われると、補強ポイントとしてクエスチョンマークがつく。
日本球界復帰を目指す前田健太を獲得する球団はどこになるのか。非常に注目だ。