ロッテの外国人野手は今季一軍で、ネフタリ・ソト、グレゴリー・ポランコ、スティベン・アセベドの3人がプレーした。
ポランコは23年の本塁打王、ソトは昨季リーグ2位の88打点を挙げるなど、今季も“ポイントゲッター”としての活躍が見込まれていた。ソトは開幕前に「チームが勝つための仕事をしたいし、みんな自分の仕事ができるとチームの勝利に繋がるので、自分もやるべきことをやって勝利に繋がれればいいと思います」と意気込めば、ポランコも「夏まで待たずに開幕戦に合わせて、そこから100%出せるようにやっていきたいと思っています」と春先からガンガン打っていくことを誓った。
ポランコは3月28日のソフトバンクとの開幕戦、7-1の8回無死二塁でセンター前の安打で、センター・周東佑京がもたついている間に一気に二塁を陥れると、翌日も0-1の5回無死走者なしの第2打席、センターにポトリと落ちるあたりでセンター・周東がダイビングしている間に二塁へ進塁し、続く田村龍弘の右飛で三塁にタッチアップ。岡大海の3ランで生還した。3月30日には「追い込まれていたのでシンプルにゾーンに来た球を打つことを考えた。コンタクトできてよかったわ」と、1-4の7回二死一、三塁からヘルナンデスが2ボール2ストライクから投じた5球目のストレートを適時二塁打。ソフトバンクとの開幕3連戦で、打率.333、2打点と良い働きを見せた。
ソトは開幕2戦目の3月29日のソフトバンク戦、「追い込まれていたのでゾーンで勝負してくるんじゃないかと思っていた。そのゾーンに来た球を打ち返すことができてホームランにすることができたよ」と今季第1号を放つと、翌30日には「めちゃくちゃいい打球でした。ゾーンに来る球を狙って、外れたらフォアボールだという意識でいい球を弾けることができたよ」と2試合連続第2号ソロ。本拠地・ZOZOマリンスタジアム開幕ゲームとなった4月2日のオリックス戦でも2安打1打点、翌3日のオリックス戦でも2安打と3試合連続マルチ安打を達成するなど、最高のスタートを切った。
開幕カード、本拠地最初のカードを終えた後、ポランコは4月11日のソフトバンク戦で今季初本塁打を含む4安打するも、4月の月間打率は.202、3本塁打、9打点、ソトも4月は連続試合無安打が1度だけだったが、4月の月間打率は.203だった。
5月に入ってもチーム状態が苦しむ中、ソト、ポランコの状態は上がらず。ポランコは5月6日に移籍後初めて一軍登録抹消となり、ソトも5月は月間打率.148、3本塁打、7打点と低迷。チームは5月、月間ワーストの6勝17敗、チーム打率.219、56得点とソト、ポランコの不調がダイレクトにチーム成績に反映された。
6月の交流戦に入ると、若手が積極的にスターティングラインナップに名を連ね、ソト、ポランコともに出場機会が減少し、ポランコは6月3日に2度目の二軍落ちを経験。ポランコはファームで「積極的にボールを打ちにいくこと、スイングスピードを意識して練習してきました」と、早速再昇格した6月28日のソフトバンク戦の4回、逆方向に第5号ソロ。「練習した成果だと思うので、センター方向に打てれば、逆方向に飛んでいけばいい感じです」と手応えの一発を放ったが、6月29日のソフトバンク戦を最後に、右肩を痛め離脱。右肩を手術し、今季を終えた。
ソトは7月に月間打率.382、2本塁打13打点と打ち、8月14日の日本ハム戦で来日8年連続二桁本塁打を達成した。
7月25日に支配下選手契約を結んだアセベドは、9月3日に一軍昇格すると、同日の日本ハム戦に『8番・指名打者』でプロ初スタメン・初出場を果たし、「とても良いヒットでした。支配下登録されてからはファームではいつも1軍の打席だとイメージしながら試合でも練習でもやってきたのでほんとイメージ通りの打席でした」と、1-0の2回一死走者なしの第1打席、柴田獅子が2ボールから投じた149キロのストレートをレフト前に来日初安打。
翌日には0-8の8回無死一塁の場面に代打で登場し、「ソトさんの打席でどう投げているのかを見ていて、まっすぐを狙っていました。しっかり打つことができてよかった」と杉浦稔大が1ストライクから投じた2球目のストレートをレフトに来日初本塁打。インパクトのある活躍を見せたが、今季放った安打はこの2本だった。
ソトは規定打席に到達しなかったものの、故障で離脱することなく、開幕から最後まで一軍でプレーし、チームトップの13本塁打、44打点をマークした。いつまでも外国人選手に頼ってばかりいてはいけないが、ソト、ポランコの不調がチームの成績に大きく影響してしまった。若手選手と外国人選手が共存できれば、チーム力は上がる。上位進出には外国人選手の活躍は重要になってくるが、外国人選手に頼りながら、依存しすぎない打線が作れれば、チーム力は上がるはずだ。
取材・文=岩下雄太