ロッテ、オースティン・ボス (C)Kyodo News

 ロッテの外国人投手は今季、オースティン・ボス、ブライアン・サモンズ、タイロン・ゲレーロの3投手が一軍でプレーした。

 ボスは昨季シアトル・マリナーズで68試合に登板したが、先発で投げることを熱望し活躍の舞台をメジャーではなく、ロッテを選んだ。ボスは来日公式戦初登板となった3月29日のソフトバンク戦が5回4失点、続く4月6日の楽天戦が4回3失点だったが、高卒2年目の寺地隆成と初めてバッテリーを組んだ4月18日の楽天戦では「寺地としっかり入念に打ち合わせをしてコミュニケーションを取りながら本当に彼が良いリードをしてくれたと思うので感謝したい」と5回1/3を無失点に抑え来日初勝利。

 4月25日の日本ハム戦でも「6回に先頭をフォアボールで出してしまって満塁のピンチを招いてしまったが、あそこはちゃんと反省をしないといけない。でもなんとか切り抜けることができたし自分自身のピッチングとしては今日は良かったんじゃないかと思うよ」と初回に浅間大基に先頭打者本塁打を浴びたが、2回以降はスコアボードに0を並べ、1-1の6回の満塁のピンチも郡司裕也を遊ゴロで切り抜け、直後の7回に打線が勝ち越して2勝目を手にした。

 同日の日本ハム戦から4試合連続クオリティスタート(6回以上3自責点以内)を達成するも、勝ち星に恵まれず。6月8日の中日戦の登板を終えて、2勝3敗、防御率2.14と安定感を見せていたが、徐々に打ち込まれる登板が目立ち、最終的には22試合・125回を投げ、3勝9敗、防御率3.96だった。

 先発で1年間投げて、「日本とアメリカのスケジュールは違うので、一つ違いをしっかり学びながら経験できたのは大きいことだと思います。自分自身しっかりと頑張って、良いシーズンを送れたんじゃないかなという気持ちでいます」と振り返った。

◆ サモンズ、開幕二軍スタートも

 サモンズは、練習試合・オープン戦、3試合・9回を投げ、防御率9.00とアピールすることができず、開幕をファームで迎えた。

 「二軍スタートだったが、一軍にいても二軍にいてもやることは変わらない。しっかりと自分のやらなければいけないことを1日1日積み重ねていこうという気持ちで取り組んでいて、それが5月昇格した理由だと思います」。

 来日初先発となった5月7日の楽天戦は「今日の結果はもちろん望んでいたものではなかったが、ひとつ言えることはストライクをしっかり取って行かないと良いピッチングはできないというところ。もっとゾーンの中でコントロール良く勝負していかないとゲームは作れないしそこは反省しなければいけないこと」と2回1失点だったが、5与四球と制球に不安を残した。

 来日2度目の先発となった5月15日の楽天戦は、5回2/3を2安打無失点に抑え、来日初勝利を手にした。5月24日の西武戦は5回4失点で敗戦投手となったが、「攻撃的に打者をしっかり向かっていく。良いカウントに持っていけているのが要因だと思いますし、真っ直ぐも走っていると思うので、自分から逃げないでしっかりと攻撃的に攻めているのが良い要因じゃないかと思います」と、6月10日の広島戦から自身3連勝。

 前半戦は登板間隔を空けて投げることが多かったが、オールスター明けは中6日での登板が増える。5、6イニングは投げるが、自身4連敗を喫するなど、オールスター明けはなかなか白星に恵まれない。それでも、9月13日の楽天戦、6回を2失点にまとめ5勝目、今季最終登板となった9月30日の楽天戦は、6イニングを無失点に抑えた。

 今季は16試合・85回2/3を投げ、5勝5敗1ホールド、防御率3.78だった。

◆ ゲレーロ、3年ぶりに復帰も

 3年ぶりに復帰したゲレーロは、「3年前より進化したゲレーロを見てほしいですし、楽しんでほしい。僕の速い球速を楽しみにしていてください」と意気込み、スタートした今季は春先、安定した投球を見せていた。

 圧巻だったのは4月5日の楽天戦。1-0の9回にマウンドに上がると、15球全てストレート、160キロ超えも6球のパワーピッチングで無失点に抑え、試合を締めた。

 「真っ直ぐも良い状態でこれていますし、このままこの状態、調子を続けてシーズン終わりまでしっかり、真っ直ぐの良い状態を保っています」。

 5月5日の楽天戦から2試合連続で無失点に抑えていたが、13日の楽天戦で黒星を喫すると、同試合から3試合連続失点。6月18日の阪神戦で5失点と、不安定な投球が目立った。3年ぶりに復帰した今季は21試合に登板して、1勝3敗5ホールド1セーブ、防御率6.41。

 ボス、サモンズ、ゲレーロも安定して抑えている時期はあったが、シーズン通して活躍することができなかった。

取材・文=岩下雄太

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