ロッテの育成3位・長島幸佑(富士大)はプロ1年目の今季、ファームで10試合・16回を投げ、2勝0敗、防御率5.63だった。
長島は、昨年のドラフトで富士大から6人指名を受けた選手の一人。大学4年間について、「1、2年は辛抱のシーズンだったんですけど、3、4と徐々に(登板)機会が増えていって、先発とかも任される時とかもあったので、それは4年間やってきて報われたかなと思います」と振り返り、「常に上のレベルでやっていて、上の順位で指名されたので、1人ずつ抜いてきたいという気持ちです」と意気込み、プロ野球選手としての第一歩を踏んだ。
ファーム公式戦デビューは4月4日のDeNA二軍戦と早かった。3-10の6回に登板すると、「自分で焦ってしまった部分があって、まだまだ実戦不足なので、もっと試合で経験を積んでやっていけたらなと思います」と3失点。それでも、「フォークは結構ブルペンでも投げて、試合でも空振りが取れているので自信を持ってもいい球かなと思います」と、3-12の6回二死三塁で関根大気を1ボール1ストライクから空振りを奪った3球目の134キロのフォークは良かった。
4月19日のヤクルト二軍戦、「2アウトからの失点で、3人目を甘く取りに行ったフォークを打たれたので、そこを腕ちょっと緩くなっていたのかなと思うので、しっかり腕を振ってカウントを取れるところを意識していきたいと思います」と反省も、1回を投げ1失点だったがプロ初勝利。走者を置いてからの投球については「変な雑念であったり、抑えたいという気持ちがあって、力んで真ん中に入って打たれると言う悪循環があるので、バッターとの1対1に集中していきたいと思います」と振り返った。
学生時代は「真っ直ぐとカットボールで半速球の速いやつで、ツーシームもなんですけど芯をずらして当てさせたくないという時はカーブ、フォーク、落差の大きい球で勝負しています」と話していたが、4月20日の取材で「今はツーシームよりもフォークでカウントをとって、たまには使っているんですけど、主に左打者に使っています。昨日(4月19日の登板で)はカーブが結構良くて、見逃し、空振りが取れて、カットボールも空振りを取れているので全体的に良い感じで来ています」と好感触。
また、体づくりについても「今は全体的な筋肉量であったり、筋肉量を増やした上で早く動くというトレーニングをしています。体重で言うと4、5キロは増えて、今は動きにくいんですけど、そこから絞っていい作業があるので、球の力強さは増したかなと思います」と順調そのものだった。
富士大の同級生の活躍も「いい刺激もらって、毎日SNSなどを見ていい刺激をもらっています」と、長島にプラスに働いた。
6月14日の楽天二軍戦以降は、「より二段モーションで、勢いの活かせるようなフォームにしました」と投球フォームを変更。体づくりの成果、フォームを変更したことで、150キロを超えるストレートも増えた。その要因について長嶋は「スピードというよりも軌道を意識していて、より打たれにくい角度だったりを求めているので、それに伴って球速がついてきたので良いことかなと思います」と明かした。
ただ、9月9日の取材で体づくりについては「今は増やしすぎたので、1回しぼって2キロくらい落としているところなんですけど、それに応じて球のキレが良くなってきたりがあるんですけど、結果として出ていないので、結果を出せるようにと考えています」とポツリ。理想の体重については「93キロくらいで、体脂肪は15%くらい行ければいいかなと思います」と語った。
「体重面であったり、しっかり絞るところはしぼって、上から差した時にバッターに打たれないというか、より伸びているように見せられるようなストレートを研究しています」。
9月12日のオイシックス戦では1-6の2回に登板し、2回・24球を投げ、許した安打は内野安打による1本のみで、フォークで2つの三振を奪うなど、無失点に抑えると、同試合から3試合・7イニング無失点に抑え、シーズンを終えた。
長島は将来的に「リリーフ系で抑えのどちらかでやっていきたいです」と宣言し、シーズン中は寮に戻ってから「同じタイプの中継ぎのピッチャーを参考にさせていただいて、どういうボール投げていて、どういうところに力が入っているかを見させてもらっています」と研究した。
プロ2年目となる来季はファームで登板数を増やし、支配下選手登録に一歩でも近づけるような成績を残したい。
取材・文=岩下雄太