ブルペンで投球練習を行うロッテ・坂本光士郎[撮影=岩下雄太]

 「一言で言ったら悔しいシーズンでしたし、来年同じことをしてはダメだし、変えていかなきゃいけないところを変えていかないといけない」。

 ロッテの坂本光士郎は今季、8試合に登板して、1勝2敗、防御率6.35と不本意な1年に終わった。

 坂本は今季に向けて「ウエイトは継続しながらずっとやってきていて、その中でやっぱり瞬発系もいると思いました。柔軟性もそうですけど、やっぱりウエイトだけだと重たい筋肉になっちゃうので、そこはそうならないようにと考えながらやっていました」と1年間戦うための体力を鍛えてきた。

 プラスアルファで今季に向けて新たに取り組みはじめたことについて、「まずは強い球だったり、変化球もそうですけど、スライダーだけじゃきついですし、その中でやっぱりスプリット、左バッターにも投げないといけないと思いますし、継続してシュートもしっかり左バッターの胸元に投げられるようにと思いながらやっています」と明かした。

 「左バッターを抑えることが一番のアピールだと思いますし、その中でストレートもそうですけど、強い球をしっかり投げないと、僕らアピールしていく立場なので、そこはストレートの強さ、左バッターを抑えるっていうのをアピールしていきたいなと思います」と意気込み、練習試合、オープン戦に挑んだが、不安定な投球が目立ち、開幕一軍とはならず。

 ファームでは、左打者に力強いストレートを投げ込んだ。特に左打者の外角のストレートは非常に良かった。「いい時と悪い時の差が激しかった日もあったんですけど、基本的には球強くというのが僕の生命線なので、そこは常に追い求めながらやっていました」。

 5月22日に一軍昇格を果たすと、今季初登板となった5月23日の西武戦では「毎年初登板はすごく緊張するので、そこでいい球が投げられましたし、これからの投球にも自信がついたかなと思います」と7球全てストレートで1回を無失点に抑えた。

 連投となった5月24日の西武戦も、1回をわずか9球無失点に抑え、5月31日の日本ハム戦、3-1の6回一死走者なしで先発・西野勇士の後を受けて登板し、0回2/3を無失点に抑え今季初ホールド。6月5日の巨人戦では1-1の10回に登板し1回を無失点、その裏、チームはサヨナラ勝ちし今季初勝利をマーク。初登板から4試合連続無失点投球も、6月6日の中日戦、8日の中日戦で連続失点し2試合連続敗戦投手。6月12日に一軍登録抹消されると、7月2日に再昇格を果たしたが、再昇格後、初マウンドとなった7月4日のオリックス戦で2失点。翌5日にファームに降格し、今季は一軍に昇格することはなかった。

 今季は8試合の登板にとどまったものの、力強いストレートを投げ込んでいる時期もあった。「自分のセールスポイントはまっすぐ。スピード自体出ていたと思うんですけど、ファウルを取るというところで、ストレートでファウルをあまり取れている印象がなかった。その辺のしなりにも関係してきますし、強い球、スピード以上に強い球を今年は欠けていたと思うので、そこは来シーズンに向けてという感じです」。

 横の変化球については、「スライダーは体の使い方的に腕が緩んでいたりというのも多かったですし、ファームでも空振りを取れているかと言ったらそうでもないですし、カットにしてももうちょっと投球の割合的に増やしていきたい。今年もカットを投げる割合が少なかったですし、まっすぐ、スライダー頼みになっていた」と反省。

 「上で勝負するとなったら2球種だったらしんどい。間の球速帯の球があれば、全然違うと思うので、そこに関してはやっていきたいと思います」と話した。

 気になったのは夏場以降、スプリットの投球割合が少なかったこと。「ストレートの質をあげたいなというのと、スライダーの質もあげたかったので、まっすぐ、スライダー主体にはなっていたんですけど、スプリットも来シーズンには投げられるようにやっていきたいと思います」と説明した。

 来季はサブロー新監督のもと、もう一度一軍リリーフ陣の一角に割って入りたいところ。「まっすぐでは、チームの左ピッチャーでは負けないようにしていきたいと思います。毎年言っているように、左バッターを抑えるのが僕の仕事だと思うので、そこは徹底してやっていきたいと思います。甘くないと思うので、結果を残していかないと。年齢的にもチャンスはそんなに多くないと思いますし、1回、2回のチャンスでモノにできるようにやっていきたいと思います」。

取材・文=岩下雄太

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