ロッテ・谷村剛(撮影=岩下雄太)※撮影日=25年4月20日

 ロッテの育成1位で入団した谷村剛はプロ1年目の今季、44試合に出場して、打率.144、1本塁打、4打点の成績で終えた。

 谷村は「力強いスイングをずっと心がけていたんですけど、コンタクト力も上げてきました」と高校3年間で打撃を磨き、高校時代から木製バットでも練習してきた。将来は「吉田正尚選手のような強いスイングで、バッティングでチームの戦力になれたらいいなと思います」と意気込み、プロのスタートを切った。

 3月18日のオイシックス戦に『9番・サード』でプロ初出場を果たし、1-1の6回二死走者なしの第3打席、日渡柊太が2ボール1ストライクから投じた4球目の136キロカットボールをライト前に弾き返しプロ初安打と、幸先の良い出だしとなった。

 3月21日の西武二軍戦でも『9番・サード』で出場し、0-0の3回無死一塁の第1打席、篠原響が2ボール1ストライクから投じた外角のスライダーを逆らわずにレフトへ二塁打を放ち、2試合連続安打、プロ入り後初めて長打を記録した。

 3月23日の西武二軍戦から4月16日の楽天二軍戦にかけて4試合連続で安打がなかったが、3月23日西武二軍戦以来のスタメン出場となった4月20日のヤクルト二軍戦、1-3の5回一死走者なしの第2打席、「しっかり捉えることができたので、自分の中でもいいスイングだったかなと思います」と、下川隼佑が1ボール1ストライクから投じた3球目のインコース126キロストレートをライト前に弾き返す安打は、チームメイトの角中勝也を彷彿とさせるバッティングだった。

 この試合を最後にファーム公式戦での出場がしばらく遠かったが、「出場機会が少なかったんですけど、その中でしっかり実戦感覚を身につけてやっていっているという感じです」と自分自身と向き合った。

 7月8日の日本ハム二軍戦、8-6の7回一死二塁の場面にアセベドの代打で登場すると、松岡洸希が1ストライクから投じた2球目の145キロストレートをライト前に強烈な当たりの安打。さらに、7月11日の楽天二軍戦では、1-3の8回無死二塁の場面に大下誠一郎の代打で登場し、「初球、まっすぐだったんですけど、まっすぐを張っていてそれを捉えることができたので良かったです」と、日當直喜が投じた初球の143キロストレートをライトポール際に嬉しいプロ初本塁打が同点2ラン。

 フレッシュオールスター前までは14試合に出場して、打率.185、1本塁打、3打点。「試合に出ることはなかなかないんですけど、少ないチャンスの中で結果を残せるようにやっていきたいと思います」と前半戦を振り返った。

 フレッシュオールスター明けは8月が13試合、9月は12試合中9試合がスタメン出場するなど、出場機会を増やした。ただ、フレッシュオールスター明けは30試合に出場して、打率.130、1打点だった。

 レギュラーシーズン終了後に行われたみやざき・フェニックスリーグでは、10月6日の中日戦、8日のオリックス戦で複数安打を記録すれば、11月22日からジャパンウィンターリーグ アドバンス2025に参加する。オフも来季に向けて、実戦で経験を積んでいく。

取材・文=岩下雄太

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