阪神・藤川球児監督

 阪神は2年ぶりにリーグ優勝を果たした。

 打線は1番・近本光司、2番・中野拓夢、3番・森下翔太、4番・佐藤輝明、5番・大山悠輔まで、“生え抜き”の選手たちで上位を組み、近本が盗塁王、佐藤が本塁打と打点王の二冠に輝いた。1番から5番までの上位打線は、12球団トップの攻撃力を誇っていると言ってもいいだろう。

 気になるのは5人の年齢。5年目の佐藤は現在26歳、森下は3年目の25歳だが、中野は現在29歳、大山は12月で31歳、近本も31歳と、30代の選手が増えてきている。年齢的にはバリバリ活躍できる年齢ではあるが、黄金時代をさらに確実にするためには、森下よりも下の年齢にあたる選手たちの台頭が待たれる。

 昨季116試合に出場し、打率.269、4本塁打、42打点の成績を残し、今季はレギュラー定着が期待された高卒4年目の前川右京は69試合に出場して、打率.246、1本塁打、15打点とポジションを獲得することができず。

 昨季はファームでリーグトップの124安打を放った前川の1学年先輩に当たる高寺望夢は、内野手登録ではあるが不振の前川に代わってレフトで起用され、67試合に出場して、打率.231、2本塁打、7打点だった。

 20代前半で勢いのある若手が少ない中、今年のドラフト会議では大学ナンバー1スラッガーの立石正広(創価大)を3球団競合の末に交渉権を獲得。2位も内野手の谷端将伍(日本大)と、ドラフト上位に即戦力の大学生を指名した。

 近本、大山といった30代の主力が元気なうちに、若手選手が経験を積んでいき、数年後、主力打者に成長できれば理想的。そういった意味でも、若手選手たちの成長が重要になってくる。

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