ロッテ・植田将太は来季に向けて、シーズン最終盤に存在感を示した。
植田は昨季一軍出場がなく、「悔しいシーズンに終わりました」と振り返り、新シーズンに向けて「バッティングとキャッチャーのすべてのキャッチング、ブロッキング、全てのレベルアップするしかないと思います」と意気込んでいた。
都城春季キャンプスタートも、沖縄糸満キャンプで一軍合流し、練習試合に3試合に出場したが、オープン戦の出場はなく、開幕は二軍スタート。ファームでは今季初スタメンとなった3月18日のオイシックス戦で2安打すると、4試合連続安打で打率は.833に。4月23日に一軍登録され、4月30日のオリックス戦で2年ぶりの一軍出場を果たすも、5月3日に一軍登録抹消。7月11日に2度目の昇格を果たしたが、この時も1試合出場したのみで、7月28日に二軍落ちとなった。
「一軍でも途中から出ていましたけど、それまでの試合の前のキャッチャーの配球、バッターの反応を見て、自分だったら次こうするというのをしっかり頭の中で考えてきたのはずっとファームでも同じで、ファームでも試合に出る機会はあまり多くなかったですけど、ベンチにいる中でしっかり考えながらできたというのは、良かったことなのかなと思いますね」。
ファームでも出番が限られた中で、出場した機会で自身のやるべきことを全う。9月18日に今季3度目の一軍昇格が巡ってきた。9月23日の西武戦で『8番・捕手』でスタメン出場し、ファームでバッテリーを組んできた唐川侑己を7回3安打無失点に抑える好リード。
1-0の8回に登板した廣池康志郎を1回無失点、そして9回はドラフト同期入団の横山陸人を無失点に導き、2年ぶりのスタメンマスクで完封勝利。
「唐川さんと一軍で組めたことが嬉しかった。完封できたのも正直、唐川さんの調子が良かったので、しっかり裏で唐川さんとコミュニケーションをとって、作戦を立てて、実際にグラウンドで実行できたというのがまずは良かったことかなと思います。(ドラフト同期の)横山に関しては力のあるピッチャーなので、いいピッチングをしてくれたなと思います」。
完封できたことは自信になったのだろうかーー。
「ずっとファームだったので、ファームと一軍では打者のレベルももちろん違いますし、僕のリードが一軍でそのまま通用するのか正直わからないところだったので、そこがしっかり結果として出たというのは自信に繋がりましたね」。
9月30日の楽天戦では、0-0の3回無死一塁の第1打席、「嬉しかったですね。とにかくスイングしかけていこうと思って振った結果が、いい結果が出て嬉しかったですね」と、岸孝之が2ボール2ストライクから投じた7球目の138キロストレートをセンター前にポトリと落ちるプロ初安打。
来季に向けて、攻守でシーズン最終盤にアピールした。佐藤都志也、寺地隆成、田村龍弘とライバルの捕手は多いが、植田にしか持っていない武器を存分に発揮していきたい。
取材・文=岩下雄太