ソフトバンク・小久保監督 (C)Kyodo News

◆ 白球つれづれ2025・第48回

 2年連続パ・リーグの最多勝タイトルを獲得したソフトバンク・有原航平投手の退団が決まった。

 2日に公示された全保留選手名簿から外れ、自由契約に。これにより、日米どの球団とも入団交渉が可能となった。

 有原と言えば、今季14勝9敗、防御率3.03の好成績でチームの5年ぶり日本一に貢献しただけでなく在籍の3年間はいずれも2ケタ勝利を挙げている絶対的エースだ。

 3年契約の3年目。本人は21~22年にメジャー挑戦したものの、満足な成績を残せず(3勝7敗)もう一度リベンジしたい気持ちもあるようだが、MLB全体の評価は高くない。逆に国内では、巨人などが水面下で獲得に動いていると言う情報もある。村上宗隆、今井達也選手らのメジャー挑戦組と共に、一気にオフの主役に躍り出た格好だ。

 これだけでも来季の連覇に向けて大きな打撃だが、さらにかつての完全試合男・東浜巨投手もFA宣言している。新旧エースの流失は「激震」とも言えそうだが、球団に慌てるそぶりは見られない。このあたりが常勝軍団の強みなのだろうか?

 一つの答えは先月下旬に明らかになった。

 台湾球界のスーパースター、徐若熙投手を獲得することが報じられた。

 徐は今季まで味全に所属した最速158キロ右腕。23年には台湾シリーズのMVPを獲得するなど実績は申し分ない。日米の複数球団が獲得に動いていたが3年総額10億円超の好条件でソフトバンク入団が決まった。

 交渉には母国の英雄でもある王貞治球団会長が直々に出馬して口説き落としたと言われる。

 通常、二枚のエース投手が抜けたら、球団はその穴を埋めるため必死に対策を練るが、今回のソフトバンクの場合はどうか?

 チーム編成は毎年夏場以降に本格化する。主力では誰が流失の危機にあるか。若返り策を図るなら誰を対象として、その分をどう補っていくか。

 有原にしても、東浜にしても退団の情報はあらかじめ球団に入っていたとしたら、まず投手の補強に動くはず。ところがドラフトでは米・スタンフォード大の佐々木麟太郎選手を1位指名している。入団にこぎ着けられるか不透明な大砲への獲得策はかなり長期的な視野がなければ出来ない。

 さらに、今季のウエスタン・リーグで最優秀防御率(2.48)に輝いた板東湧梧投手に戦力外通告まで行っている。(板東はその後、巨人と育成契約)このあたりにソフトバンクならではの余裕と戦略が見て取れる。

 今季は故障者続出の中でスタート。開幕直後は最下位まで沈んだが、小久保裕紀監督は盤石な投手陣を確立することで見事にチームを建て直した。

 有原以外にリバン・モイネロ、大関友久、上沢直之の先発四本柱合計で51勝20敗、実に貯金31を作っている。抑え役には藤井皓哉、松本裕樹、杉山一樹の必殺トリオを抜擢。先発、抑えの骨格がしっかりしていれば多少の人材ロスは補強で埋められる。

 台湾の徐以外にも今年までDeNAに在籍したアンドレ・ジャクソンやアンソニー・ケイ投手、阪神のジョン・デュプランティエ投手らの獲得調査に乗り出している。チーム内を見渡せば日本シリーズで先発した大津亮介投手を筆頭に、前田悠伍、松本晴、尾形崇斗ら若手有望株もいる。今年は故障に泣いたカーター・スチュワート・ジュニア投手の復活もあれば、有原の抜けた穴は致命傷にならないと言う首脳陣の計算が成り立つ。

 チーム内の激しい生存競争と、他球団を圧する資金力で補強を怠らないから王国は出来上がる。

 先月24日に福岡で行われた日本一を祝うVパレードには29万人のファンが歓声を上げた。

 改めて連覇の誓いを立てた指揮官は、同時に「もう一度新しいチームを作りあげる」と、更なるステップアップを目指している。

 大黒柱が抜けても怠りはない。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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