現役ドラフトでロッテに加入した石垣雅海は、移籍1年目の今季20試合に出場して、打率.143、0本塁打、0打点だった。
石垣は昨年12月11日に行われた入団会見で「開幕スタメンを狙っていきたいと思っています」と宣言。自主トレでは、「ボールの入っていき方、捉え方、そういうのをやっていました」と打撃を磨いてきた。
春季キャンプは、石垣島組でスタート。「怪我なく来れているので、そこは良かったのかなと思いますけど、いろんな面で守備、バッティングだったり課題があるので、そこを徐々に雰囲気にも慣れつつ、慣れきれていないところがあると思うので、そこに慣れつつ、自分の課題をしっかり1個1個克服できるようにと思ってやっていますね」。
打撃では、「ボールを捉える感じだったりとか、キャンプに入ってから力みとかいろんな疲れもあると思うので、その中で自主トレでやってきたことを出せるようにというのは自分の中でやっています。なかなかうまくいかない時もあるんですけど、コーチと喋りながら、考えながらやっていきたいと思います」と技術向上を図った。
石垣島春季キャンプでは、「バッティングって毎日、体が違ったりとかなので、なるべく戻すというんですかね、おかしくなった時に自分が戻る場所があるように、毎日練習終わりに同じことを確認作業をしている感じですね」と全体練習後に、室内練習場で黙々と打撃練習をすることが多かった。
「まずは萎縮せずに自分のできることをやることとその中で結果が大事なので、そこを求めてやっていければなと思います」。
2月16日の楽天モンキーズとの練習試合、ショートの守備から途中出場し、0-3の6回無死満塁で迎えた移籍後対外試合初打席、「思いっきり行くのもそうだったんですけど、左ピッチャーだったので、満塁で強引にならないように逆方向を意識した結果、変化球をうまく拾えたので良かったなと思います」と、左のライ・インハオが1ボール1ストライクから投じた3級目をレフトに2点適時打と早速結果を残した。
「1打席、1打席結果を残すだけなので、今日はその後の2打席凡退してしまったのが課題なので、もっと打てるように色々頑張っていきたいと思います」と沖縄遠征に向けて、アピールを誓った。
NPBとの対外試合でも、ショートの守備から途中出場した2月19日の広島との練習試合で内野安打を放つと、翌20日のDeNAとの練習試合ではスタメン出場し2安打1打点、2月23日の韓国・ハンファとの練習試合でも安打と楽天モンキーズ戦から4試合連続安打。3月1日の韓国・ロッテとの練習試合でも2安打と打撃で存在感を示した。
3月8日のソフトバンクとのオープン戦でセンター前に安打を放ちながら、そのほかの3打席は三振に終わり、この試合を最後に一軍出場はなく、開幕はファームで迎えた。
「もう1回見直したりとか、ここが悪かったとか、もうちょっとこうしたらいいとか、試しながら入れたかなと思いますね」。
ファームでは、3月26日の楽天二軍戦、1-1の4回二死満塁の第2打席、「チャンスで打つというテーマもあったので、そこは良かったかなと思います」と、津留崎が3ボール1ストライクから投じた5球目のインコースストレートをレフトポール際に満塁本塁打。
4月2日に一軍昇格すると、同日のオリックス戦に『7番・サード』でスタメン出場し、1-1の4回二死走者なしの第2打席、曽谷龍平が1ボールから投じた2球目の138キロフォークをレフト線に二塁打を放ち移籍後初安打。第4打席でも安打を放ち、「上がった時の印象ってすごく大事だと思うので、そう言った意味では良かったと思いました。左ピッチャーが得意という感じになって、そこで結果を残せたのは良かったなと思います」と、デビュー戦は2安打と幸先の良いスタートを切った。
「あとはチャンスでどれだけ打てるかが大事だと思うので、そういった部分でしっかり結果を残してやっていけるようにしたいと思います」と意気込むも、4月5日に故障により、一軍登録を抹消。
その後は2度一軍昇格したが安打を放つことはできなかった。6月11日の広島戦では、2-2の9回無死走者なしの第1打席、森浦大輔に対し2球で追い込まれるも、そこからファウル、ボールを見極め3ボール2ストライクから7球目の147キロストレートを見送り四球を選ぶ打席もあった。
守備では試合前練習でサード、ショート、ファーストと複数のポジションを守り準備。一軍の出場は20試合ながら、内野の全部のポジションを守り、失策は0だった。色々なポジションを守れる強みはある。
石垣は来季、レギュラーで出場するために必要なことについて「まずは守備から入ることが多かったので、全ポジション無難な打球はしっかりこなして、難しい打球も球際だったりを捕ってこそ自分が生きてくるのかなと。そこはここを守りたいということはないですけど、全ポジションでスタメンで行けるような守備力、バッティングも小技とかも大事になってくると思うので、僕が30本、40本打てたら別ですけど、しっかり小技もやって、その中で率や長打が出てくると良いと思います」と語った。
移籍2年目となる来季は、バット、守備でも貢献していき、一軍で居場所を掴みたい。
取材・文=岩下雄太