ヤクルト・池山隆寛監督

 ヤクルトは4番・村上宗隆がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指しており、来季に向け野手陣に不安な部分があるが、それ以上に投手陣の立て直しも急務だ。

 特に先発陣はかなり苦しい状況が何年も続いている。直近10年で規定投球回に到達した投手を見ると、小川泰弘と既に退団しているブキャナンの2人のみ。ブキャナンが17年と18年に規定投球回到達と、21年以降の5年間で規定投球回に到達した投手は小川しかいない。21年は規定投球回到達者なしでリーグ優勝を達成し、翌22年も規定投球回に到達したのは小川のみだったが、リーグ連覇を達成した。23年から3年連続で規定投球回に到達した投手は誰もいないのが現状だ。

 チーム先発防御率は12球団ワーストの3.89。吉村貢司郎、奥川恭伸、高橋奎二といった期待の中堅はいるが、先発の頭数は少なく、今年のドラフトでも1位、2位に指名したのはいずれも内野手。若手、中堅の台頭に新外国人の補強がなければ、かなり苦しいのは事実である。

 リリーフ陣はというと、決まった勝利の方程式を固定することはできなかったが、今季チーム最多の50試合に登板した大西広樹が防御率1.17、45試合に登板した新人王の荘司宏太が防御率1.05、広島から現役ドラフトで加入した矢崎拓也が45試合に登板して防御率1.93、終盤抑えを務めた星知弥が44試合に登板して防御率1.67、シーズン途中故障で離脱した石山泰稚も42試合に登板して防御率2.21の成績を残している。

 ただ、矢崎はシーズン序盤不安定、荘司、石山が離脱した時期があり、年間通して活躍できなかった。彼らに加えて木澤尚文、田口麗斗、清水昇といった実績のある投手もいる。やり繰りをうまくできれば、リーグ屈指のリリーフ陣を形成することも可能だ。

 野手陣も不安だが、それ以上に投手陣の立て直しが上位進出へカギとなる。

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