ロッテ・西野勇士(撮影=岩下雄太)

 ロッテの西野勇士は先発再転向となった23年に8勝を挙げ、昨季はシーズン自己最多タイの9勝をマークし、今季は自身初となる二桁勝利を目標に掲げ挑むも、故障で離脱した時期もあり、9試合・49回2/3を投げ、0勝4敗、防御率3.08と未勝利に終わった。

 25年シーズンに向けたオフは「感覚的にいうと、去年は調子が悪くて一昨年がすごく良かったので、一昨年のシーズン前みたいな過ごし方をしようかなという感じでやっていました」と、自主トレ期間の過ごし方を見直し、ハードな練習を積んだ。

 それにより、昨季は交流戦前の取材から何度もストレートを課題にしていると話していたが、開幕前の取材では「今年は結構いい感じにきているのかなと思います」と手応えを掴み開幕を迎えた。

 今季初登板となった4月2日のオリックス戦、6回1失点、中6日で先発した4月9日の西武戦も6回2失点と2試合連続でQS(6回以上3自責点以内)を達成したが、今季初黒星を喫す。打線とのうまく噛み合わなかったことに加え、自身も6月13日に球団から『右前腕屈筋群の筋損傷』と診断され離脱。8月17日のソフトバンク戦で一軍復帰し、5回・69球を投げ、2被安打、無失点に抑え込むも勝敗はつかず。結局、この登板が今季一軍で最後のマウンドとなった。

 今季に向けて23年のような自主トレの過ごし方で強いストレートを取り戻した。今オフも23年、今季のようにハードな自主トレを課していくのだろうかーー。

 「そうですね、結構ハードにやろうと思っています」とキッパリ。「どこを境に筋力、出力が落ちていくのが正直わからない。そこは絶対に落としたくないし、むしろ向上させるつもりでやらないといけないと思う。でも、年齢的には落ちると思うので、その分、量とか質を含めて、高めていかないと」と明かす。

 「今の野球のレベル、日本の野球のレベルは上がってきていると思うので、そこについていくにはもっとボリュームは去年より上げていきたい。あとは怪我もあったので、その部分もケアしていかないといけない。その部分もボリュームは増えていくかなと思います」と自分自身を徹底的に鍛えていく姿勢を示した。

 今季までチーム最年長投手だった美馬学が現役を引退し、石川歩と澤村拓一は現役続行を目指して退団。現時点ではチーム最年長投手が唐川侑己、益田直也の“89年世代”で、次いで西野が年長者となる。若い投手が増えてきた中で、“90年世代”の意地、まだまだやれるところを示して欲しい。

取材・文=岩下雄太

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