日本ハム・伊藤大海 (C)Kyodo News

 日本のプロ野球でその年の完投型の先発投手に贈られる“沢村賞”。沢村賞の選考項目が登板数(25)、完投数、勝利数(15)、投球回、勝率(,600)、奪三振(150)、防御率(2.50)と7つあるが、来年から10試合以上の完投数が8試合以上の完投、200イニング以上の投球回数を180イニング以上と、2項目が変更される。

 今年沢村賞を受賞した伊藤の投球回数とイニング数を見ると、完投数は6でクリアできなかったものの、投球回数は196回2/3を投げておりクリアとなる。ここでは各球団最後の180イニング以上、8試合以上完投した投手を見ていきたい。

 パ・リーグは指名打者制を採用していることもあり、近年も180イニングをクリアした投手が多く、もっとも遠ざかっているのはロッテの2016年。完投数もダルビッシュ有、金子千尋、則本昂大といった完投のできる投手が多かったこともあり、もっとも遠ざかっているのもロッテの2007年だ。

 注目すべきは涌井秀章がロッテで最後の180イニング以上(2016年)、西武で最後の8完投以上(2009年)に入っていることだ。

 一方のセ・リーグは指名打者制を採用しておらず、終盤に打順が回ってきたところで投手に代打を送られることもあり、180回以上、完投が難しくなっている。特に最後に8完投以上となると、セ・リーグ全体でも20年の中日・大野雄大まで遡る。特に大野がすごいのは新型コロナウイルス蔓延で短縮シーズンの中で10完投は価値がある。

 また、ヤクルトは最後に180イニング以上投げたのが2011年の館山昌平、最後の8完投は1998年の川崎憲次郎と、いずれも12球団で最も遠ざかっている記録になっている。

【各球団最後のシーズン180回以上、8完投以上】

▼阪神

投球回:メッセンジャー(2016年)185回1/3

完 投:井川慶(2006年)8

▼DeNA

投球回:東克樹(2024年)183回

完 投:三浦大輔(2006年)9

▼巨人

投球回:戸郷翔征(2024年)180回

完 投:菅野智之(2018年)10

▼中日

投球回:大野雄大(2015年)207回1/3

完 投:大野雄大(2020年)10

▼広島

投球回:大瀬良大地(2018年)182回

完 投:黒田博樹(2005年)11

▼ヤクルト

投球回:館山昌平(2011年)180回2/3

完 投:川崎憲次郎(1998年)9

▼ソフトバンク

投球回:有原航平(2024年)182回2/3

完 投:杉内俊哉(2008年)8

▼日本ハム

投球回:伊藤大海(2025年)196回2/3

完 投:ダルビッシュ有(2011年)10

▼オリックス

投球回:山本由伸(2022年)193回

完 投:金子千尋(2013年)10

▼楽天

投球回:則本昂大(2018年)180回1/3

完 投:則本昂大(2017年)8

▼西武

投球回:菊池雄星(2017年)187回2/3

完 投:涌井秀章(2009年)11

▼ロッテ

投球回:涌井秀章(2016年)188回2/3

完 投:渡辺俊介(2007年)8

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