「まずは最多安打。ここを一番獲りたいと思いますし、最多安打を獲るバッターが最近首位打者を獲れていないので、この2つを獲れたら打者として一流の選手だと思うので、その2つが獲れるように今は目指してやっています」。
ロッテの髙部瑛斗は今季の目標に“最多安打”、“首位打者”のダブル獲りを掲げる。昨年12月17日の契約更改交渉後の会見では「ヒットであったら200本。一流打者のラインだと思うので、今の時代なかなか獲るのは難しいですけど、そういうものを狙っていけたらと思います」と話した。
髙部は“強く振ること”を意識した昨季8月以降の打率は、.337を記録。髙部は積極的に初球から打ちにいけているときは状態が良いとき。「ヒットを打てる選手は必然的に四球が増えると思うんですよ。まずはヒットを打つことなので、打てると思ったボールは関係なく打ちにいこうと思います」。
上位の打順を任されれば、それだけ打席数が多くなり、最多安打の可能性も高くなる。リーグ2位の148安打を放った2022年は1番が70試合と最も多く、次いで2番が61試合と“上位”を打つことが多かった。昨季は3番が26試合、1番が20試合、7番が11試合など、下位の打順で出場することも多く、打順が固定されなかった。
打順について髙部は「その打順、打順で役割は変わると思いますけど、期待されている部分は変わらないと思うので、固定された方がいいとかは特にないです。任されたところをしっかり守り続けたり、やり続けられるようにしたいと思っています」と、任された打順で役割を全うするつもりだ。
◆ 近年のタイトル獲得の目安
髙部が目指すパ・リーグの“最多安打”を見ると、2010年代は15年に秋山翔吾(当時西武)が216安打、10年に西岡剛(当時ロッテ)が206安打、12年の内川聖一(当時ソフトバンク)の157安打以外は、170安打以上放ち最多安打のタイトルを獲得している。
20年以降を見ると、最多安打獲得者で170安打放った選手は誰もおらず、最も安打数が多かった最多安打は21年の荻野貴司(当時ロッテ)の169安打。昨季に至っては、最多安打が村林一輝(楽天)の144安打だった。
160安打前後の安打数を積み重ねれば、最多安打のタイトル獲得も見えてくる。1番で出場することの多かった昨年9月は月間33安打放っており、このペースで安打をシーズン通して積み重ねていければ、単純計算で200本近くは打てる。
▼2020年以降のパ・リーグ最多安打
20年:146安打 柳田悠岐(ソフトバンク)
21年:169安打 荻野貴司(ロッテ)
22年:161安打 島内宏明(楽天)
23年:163安打 柳田悠岐(ソフトバンク)
24年:158安打 辰己涼介(楽天)
25年:144安打 村林一輝(楽天)
首位打者を見ると、直近3年は23年の頓宮裕真(オリックス)が打率.307、24年の近藤健介(ソフトバンク)が打率.314、そして昨季は打率.304で牧原大成(ソフトバンク)が首位打者に輝いている。かつては3割3分前後が首位打者のラインだったが、ここ3年はそのラインがガクッと下がっている。髙部も昨季8月以降の打率が.337と、シーズン通して昨年8月以降の打撃ができれば、首位打者も夢ではない。
毎年新しい感覚を求めてプレーしているが、今年は「去年は本当に打てなかったので、今年はとにかく打って、打撃の方からリズムを作って、守備、走塁でもいいプレーをしたいと思っているので、まずはバッティングで存在感を出していきたい」というのが髙部瑛斗が目指す“2026年”のスタイルだ。
打撃タイトルを獲得し、今季から背負う“0”を髙部瑛斗色に染めていく。
取材・文=岩下雄太