ホワイトソックスに入団した村上宗隆(写真=Getty Images)

 ポスティングシステムによりホワイトソックスへの移籍が決まった球界屈指の長距離砲、村上宗隆の新天地での活躍に注目が集まる。

 村上の加入によってホワイトソックスの日本での注目度も高まることが予想されるが、ここ数年は弱小球団として名が通っていることは多くのファンも周知の通り。5年前の2021年に93勝69敗の好成績でア・リーグ中地区の頂点に立ったものの、22年に81勝81敗と五分に転落。それ以降は61勝101敗、41勝121敗、60勝102敗と3年連続で100敗以上を喫している。

 当然だが観客動員も落ち込んでおり、チームとしては戦力面だけでなく集客面でも村上に期待している部分があるだろう。セ・リーグ三冠王に輝いた2022年のような打棒を見せることができれば、観客動員だけでなくグッズの売り上げにもつながるはずだ。

 そんなホワイトソックスの傘下にはもう一人の日本人選手が所属している。それが昨季2Aバーミンガム・バロンズでプレーした西田陸浮である。

 佐々木朗希や宮城大弥と同じ2001年世代の西田は大阪府出身。右投げ左打ちの内野手として宮城の名門・東北高校に進学したが、高校時代は甲子園とは縁がなかった。

 卒業後は単身アメリカに渡り、オレゴン州のマウントフッド・コミュニティ・カレッジへ留学。その後は2023年に名門オレゴン大学に編入し、強豪が集まる「パシフィック12」カンファレンスで、63試合に出場し、打率.312、5本塁打、25盗塁と自慢の快足も披露した。

 また、本職の二塁だけでなく外野も守れる器用さも持ち合わせており、2023年7月に行われたドラフトでホワイトソックスから11巡目で指名を受けた。

 そんな西田はプロ入りが決まったタイミングで野球留学のサポートや少年野球教室などの育成支援を手掛ける「株式会社ワンハネ」を設立。野球選手と“青年実業家”という二足の草鞋を履いている。

 22歳でプロ入りを果たした西田のこれまでのプロ生活を振り返ると、1年目はルーキーリーグとシングルAで合計20試合に出場し、打率.224ながら、6盗塁をマークした。

 2年目の2024年はシングルAからスタートし、ハイAを経て最後はダブルAに昇格。3つのリーグで合計127試合に出場し、打率.304、49盗塁を記録。バロンズが所属するサザンリーグの優勝にも貢献した。

 さらに3年目を迎えた昨季は再び2Aバーミンガムでフルシーズンを戦い、115試合で打率.273、40盗塁。主に1番打者としてチームをリーグ連覇に導いた。

 まだ3Aでのプレー経験はないが、約1か月後に始まるスプリングトレーニングでアピールに成功すれば、3Aからのスタート、もしくは開幕メジャーも決して夢ではないだろう。3Aでも昨季並みの成績を残すことができれば、シーズン終盤にはメジャー昇格のチャンスを与えられるのではないか。

 今年はドジャースやカブスだけでなく、ホワイトソックスでも日本人選手の共闘が見られるかもしれない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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