7年総額270億円超―――。
クリーブランド・ガーディアンズの内野手ホセ・ラミレスが、2032年まで毎年40億円近い大金を手にすることになった。日本のプロ野球ではまずあり得ない“大型契約”だが、これでも現地では“格安”と話題になっている。
ラミレスといえば、かつて「(いつか)日本に行きたい」とNPB入りを熱望したこともあった。しかし、40歳シーズンまでの契約延長が決まったことで、来日が実現する可能性はほぼゼロになったといえるだろう。
ラミレスの年俸は、メジャーでも高額の部類に入るが、全メジャーリーガーの中では32位相当(2月2日現在)。メジャートップの大谷翔平(ドジャース)が約105億円なので、2.5倍もの差がある。
さらに、これをNPBと比べると、埋め切れない格差が浮き彫りとなる。
今季、12球団で最も高額年俸を受け取るのは巨人のライデル・マルティネス(巨人)で12億円(推定)。メジャー1位の大谷とは約9倍の格差がある。日米の平均年俸も10倍前後の格差があるとされており、円安も相まってその差は広がる一方だ。
ちなみにNPBでプレーする日本人選手に限定すると、5億5000万円の近藤健介(ソフトバンク)が球界ナンバーワン。大谷とは20倍近い格差が生じている。
その結果、国内でトップレベルの選手は、メジャーを目指すのが必然の流れとなっている。
今オフは村上宗隆、岡本和真、今井達也の3選手がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を果たした。年数はそれぞれ違うが、受け取る年俸はそろって20億円台。いずれも日本ではあり得ない契約を勝ち取っている。
逆の見方をすれば、かつてそれほど珍しくなかった超大物メジャーリーガーの来日が期待できない状況となっている。
“日米格差”が最も縮まったのは、ずばり1995年だった。同年4月には1ドルが70円台に突入する超円高を記録。その年は前年から続いていたストライキの影響もあり、日本に活躍の場を求めたメジャーリーガーが少なくなかった。
1989年にナ・リーグMVPの輝いたケビン・ミッチェル(ダイエー)を筆頭に、前年に.333の高打率をマークしたシェーン・マック(巨人)、1991年のア・リーグ首位打者フリオ・フランコ(ロッテ)など、超大物メジャーリーガーが来日。当時は日米の年俸格差もそれほどなく、日本でのプレーも選択肢の一つだったわけだ。
あれから30年の月日が流れ、日米の年俸格差はさらに広がろうとしている。今後は超大物メジャーリーガーの来日は絶望的な状況となっている。
文=八木遊(やぎ・ゆう)