☆名伯楽期待の若星4人
昨シーズン、約440イニングを投げフル回転した外国人投手3人が抜け、エース東克樹に続く先発の台頭が必須となっているDeNA。新外国人や昨年一定の活躍を見せた投手もいるが、頭数の不安は常につきまとうのが現状となっている。
「その穴埋めのところは僕ら二軍のところの仕事ですから。自分の中では色々と描いているものはありますよ」と、今年からファームに専念することになった入来祐作二軍投手コーチは腕を撫す。
「二軍にいる先発陣をちょこちょこ上に送り込まないといけない」。例年よりもその頻度が多くなると予測している入来コーチの口からは、まず3人の名前がスラスラと挙がってきた。
「(深沢)鳳介とか武田陸玖は単発で行かさないとあかん存在ですね」と2人の若武者に熱い視線を送っている。
深沢鳳介は高卒3年目のキャンプで猛アピールしたが、その直後に肘を痛めトミー・ジョン手術を敢行し育成契約に切り替えられた。リハビリを経て昨年はファームで復帰し、オフには支配下に返り咲き。5年目の今季に完全復活を賭けるサイド右腕だ。キャンプでも持ち味の制球力を武器に磨きをかけ、順調に調整を続けている。
武田陸玖は2023年ドラフト3位で入団。球団初の二刀流で話題となったが、昨年投手に専念することを決めた左腕だ。10月1日のデビュー戦で初勝利をマークするなど“持っている”男でもあり、3年目の飛躍に期待がかかる。
「あとは松本隆之介もいいんです。支配下になったら上でも結構使えると思うんですよ」と、入来コーチは大型左腕を推挙した。松本隆之介は2020年ドラフト3位で横浜高校から入団。昨春の試合中に右前十字靭帯を手術し、今年は育成契約となったが患部は順調に回復。そのポテンシャルが開花すれば、貴重な戦力となるはずだ。
また、ルーキーの島田舜也(ドラフト2位)には「エンジンが違います。馬力があって、真っ直ぐは初っ端からなかなか捉えきれないと思いますよ。フォークもいいです」と絶賛。「一軍次第ですけど」と即戦力もあり得るとの見解を示しつつ、「将来を見据えてファームでちゃんと投げさせていこうとも思っています。1回の登板でしっかりとイニングを投げさせるか、中2,3日でリリーフとして使ってみるか」と、大器の育成を心待ちにしている様子だった。
☆奮起期待のプロスペクト
一方、昨年待望の初勝利を挙げた元ドラ1・小園健太には「もうちょっと頑張らないといかんなと思います」と渋い顔。「ただ投げられるというだけではいかんので。一年間やることなので体力、身体の強さが必要なんで。そこをどうにかしないといけないです」と、フィジカル面での課題を口にした。
昨年の初勝利時には「立ち会えて良かったですよ。本当にここまでが長かったですからね」と自分のことのように喜んでいた教え子の現状に、「頑張らないと。ファームで先発を回すということを考えても、僕の中で名前がぱっと浮かんでこないです。あいつもうかうかしていられないですよ」と、一層の奮起を促していた。
キャンプも終わり、ここから競争が激化する時期に突入するベイスターズ投手陣。
「僕もやりがいを感じていますよ」。ローテーションに名乗りを上げるチャンスの2026年。名伯楽の期待に応えられる存在が何人出てくるかが、今季の浮沈を握るポイントになる。
写真・文・取材 / 萩原孝弘