「緊張感はあります。常に競争もあると思うし、結果を出さないと、と思うので、緊張しますね」。
ロッテ・西野勇士はプロ18年目を迎えた今も、シーズン初登板に向けた緊張感が変わらずにある。
西野は昨季、打線の援護に恵まれなかったことに加え、自身の故障も重なり、9試合・49回2/3を投げ、0勝4敗、防御率3.08とまさかの未勝利に終わった。
このオフも例年と同じように厳しいトレーニングを積み、新シーズンに向けて準備をしてきた。今季初の対外試合登板となった2月21日の楽天戦は2回を投げ3失点だったが、2月28日の西武戦は3回無失点。3月3日の取材で「プラン通りきているかと言われたら、そうでもないんですけど、久しぶりに実戦を投げて、ある程度何をしていかないといけないと言うのが見つけてはいる。それを潰しながら、1試合ずつ潰していっていい状態で開幕に迎えられたらいいなと思います」と、課題点を口にした。
3月8日の日本ハム戦はシュート、スライダー系を中心にした投球で4回4失点。3月17日の阪神戦も0-0の初回一死二塁で森下翔太にインコースのシュートを執拗に攻め追い込み、3ボール2ストライクから外角の126キロスライダーでハーフスイングの空振り三振。右打者のインコースを意識づけさせるような投球が目立った。公式戦登板前最後の登板となった3月25日のヤクルト二軍戦は、5回を無失点に抑えた。
3月のオープン戦、公式戦前最後の二軍戦を経て、課題を潰せてシーズンを迎えることができるのだろうかーー。
「良くはなってきていて、100%かと言われると、そうじゃないですけど、半分くらいは良くなったんじゃないかなと思います」
日本ハムの水谷瞬、阪神の森下といった“右打者”にインコースのシュートを意識させて、外のスライダーで打たせたりした。右打者のインコースのシュートについて「しっかり投げ切れているので、今は良いのかなと思います」とのことだ。
オープン戦ではシュート、スライダーが多かったことについては「シュートは多かったですね。でも、どうですかね」と含みを持たせながら、笑顔でかわした。
オープン戦では日本ハム戦など、序盤フォークが少ない登板もあった。登板によって試していたことがあったのか訊くと、「フォークはあんまり調子が良くないというのがあったので、かといって減らしているつもりはないですし、練習するために多めに出してもらっている。投げてはいます」と教えてくれた。
今季も、いろいろな球種を使い、その中で試合中に使える球種を取捨選択して打者を打ち取っていく形になるのだろうかーー。
「その日、調子が悪かったら、全く消すというわけではないですけど、自分がコントロールできる球でしっかり投げていかないとゲームは作れないと思う。そこはその日の調子によって選んで投げていきたいと思っています」
西野の持ち味は“ゲームメイク力”。「とにかく自分の良さはそこだと思うので、すごい緊張するかもしれないですけど、できるだけ冷静にしっかりゲームを作れたらいいなと思います」。ゲームを作って、2年ぶりの勝利投手、今季に向けて弾みをつける初登板にしたい。
取材・文=岩下雄太