「調子自体はそんなに良くなかったです」
ロッテの田中晴也は前回登板の3月28日の西武戦、2-0の3回一死三塁で桑原将志に投じた初球インコース見逃し148キロストレートを始め、ストレートはかなり力強い球を投げ込んでいるように見えたが、調子は良かったわけではなかった。
それでも、西武打線を6回5被安打無失点にまとめた。「去年までは調子が悪くても、ちょっと大胆にいく場面がありましたが、(3回の桑原との対戦は)ピンチでしたし、大事な場面でした。いくべきところはしっかり狙って投げないとだなというところがあった。大事なところは冷静にどういったところに投げなきゃいけないかは、去年よりしっかり考えられているので、投げ切れたのかなと思います」
ストレートの調子が良くない中でも、0-0の初回一死走者なしで、長谷川信哉を2ボール2ストライクからフォークを3球連続続けフォークを意識させた中で、3ボール2ストライクから8球目の150キロストレート見逃し三振に仕留めた。
「あれはフォークをファウル打たれて、何かしら、色々見た中で真っ直ぐを1球でアジャストされることはないのかなと思ったので、まっすぐを選んだんですけど、結果いい球になったので良かったかなと思います」
この春の田中晴也はフォークを意識した打者をストレートで三振を仕留める場面が増えている。例えば、3月21日の中日とのオープン戦、0-0の初回二死一塁で細川成也に3ボール1ストライクから投じた5球目の138キロインコースフォーク空振りを奪うと、続く6球目のインコース153キロストレートで空振り三振。投球を見ていると、ストレートは強い印象を受けるが、本人の中では納得がいっていないのだろうかーー。
「去年より良いボールは増えていると思うんですけど、まだ良くなる感覚はあります。トータルで言ったら去年よりいいのかなと思います」。求めているレベルが、田中自身の中にはさらに高いところにあるということだ。
ストレートに近い軌道のチェンジアップも、良いアクセントになっている。「チェンジアップは形になってきているボールですし、ストレートを活かすボールになっているので、今の自分のストレートが活きているのはフォークだけじゃなくて、チェンジアップの要素もすごい大きいかなと思います」と手応えを掴む。
縦に落ちるスライダーも、前回登板では、2-0の4回二死一塁で渡部聖弥に投じた初球空振りを奪った136キロ縦スライダーが良かった。「軌道自体はよくなっているんですけど、もう少しゾーン率を上げていければ、もっと使いやすいボールになるのかなと思います」
投球スタイルが確立されてきたように見える。「前回もそうですけど、困った時に狙って三振を取り切れる、追い込んで取り切れる場面は自分の強さだと思いますし、困った時にストレートでもフォーク、変化球でも欲しいところで空振り三振を奪えるところが今の僕の強みかなと思います」
14時から対戦するソフトバンクの打線は、開幕から好調だ。「どこの球団だからといって僕のスタイルを変えないですし、自分の持っているものを出しきれれば、どの相手、どの球団でも通用するものがあると思うので、とにかく良いコンディションでその試合を100%で臨めるように。そこだけをしっかりやりたいと思います」。マリーンズファンを喜ばせるような投球を披露してほしい。
取材・文=岩下雄太