【舞洲Heroes】
オリックスの河内康介投手が、今秋の実戦復帰に向け3年連続のリハビリを続けている。
「なんでこんなにケガをするんやろ。自分の中では体も大きく強くなったと思うんですが、まだまだ足りない部分が多いのかなと。もっとやらないとアカンのかなと思います」。大阪の球団施設の舞洲で、河内が静かに切り出した。
河内は大阪府高槻市出身。最速150キロの右腕で聖カタリナ高(愛媛)から2023年ドラフト2位でオリックスに入団した。1年目に2軍戦で9試合に登板したが、8月にトミー・ジョン(TJ)手術を受け、オフに育成選手に。2025年9月に練習試合で実戦復帰し、みやざきフェニックス・リーグでは3イニングを投げるまでに回復した。しかし、春季キャンプ中の今年2月11日、守備練習中に右膝を痛めて離脱。前十字靭帯断裂との診断を受け、2月27日に手術した。
好事魔多し-‐順調な復帰の道半ばで、大きな落とし穴が待っていた。室内練習場で行われた投内連携(PFP)。「また離脱か、というのが一番最初に頭に浮かびました。バウンドが変わって右にそれたボールを捕ろうとしたら(膝が)ガクっとなって。脱臼したのかな、1週間で治るケガじゃないなと」。前日がキャンプ初の実戦となった紅白戦だった。「雨の中で、点は取られたんですが、そんなに悪い感じじゃなくて。四球も際どい所ばかりを狙ったもので、試合をやっていくうちに慣れてくるという感覚がありました」と、支配下復帰に向けたスタートを切れたという思いが強かったという。
リハビリをおろそかにしたことはなかった。入団時に68kgだった体重は80kgに増え、筋肉量も増した。投げることはできなかったが、ケガをしない体作りを勉強した自負もあった。それでも再び襲ったケガに、「なんで」という怒りにも近い思いが込み上がった瞬間もあった。
手術が不可避となり、帰阪を前に松葉杖をついて岸田監督に報告をした。「頑張ろう」。頑張れよ、ではない温かさが身に染みた。監督室の奥からは、中嶋聡シニアディレクター兼フィールドコーディネーター(SD)が顔をのぞかせ「折れるなよ」と声をかけてくれた。福良淳一ゼネラルマネジャー(GM)からは「焦るなよ」とも。
「マモさん(岸田監督)には、昨シーズン終了後に『来年はちゃんとやってもらわないと困るからな。若手はキャンプで早めのペースで投げると思うから、しっかりと準備をして。頼むわ』と声を掛けていただきました。その期待に応えたかった」と河内。
完全復帰は、4年目の来季になる見込み。「僕の立場上、ゆっくりとできるというものはないんで、9月か10月には投げていたいですね。再発するのが一番、嫌なんですが下もどんどん入ってきて、これだけ投げていない分の遅れをどうやって取り戻すか。復帰したときにエグイと言われるように、上半身のトレーニングで体を強くして投球動作につなげたい」
「(今は)空回りというか、思い描いていた道には進んでいませんが、遠回りが近道だと思ってやります」足元を見つめ、2度目の試練を乗り越えてみせる。
取材・文=北野正樹