若手の長打攻勢で逆転勝ちを収めたDeNA。派手は攻撃は見事の一語だが、バッテリーの地道な作業もゲームのポイントとなった。
4点のビハインドから4回、そこまでパーフェクトに抑えられていた床田寛樹から2点を返し反撃体勢を整えた矢先の5回表、先頭の勝田成に石田裕太郎が死球を与えてしまう。
追加点を取られたくない場面で俊足ランナーを出塁させ、相手クリーンアップを迎える。一気に広島に流れを持っていかれそうなケースで、山本祐大がドンピシャの送球で盗塁を刺す。ここから石田裕太郎も奮起し、小園海斗とモンテロを連続三振に切って取った。
2点差をキープできたことでゲームはまだまだわからぬ状況となり、結果的に逆転勝利への筋道をつけたプレーとなった。
捕手出身の相川監督もこのプレーに高評価。「守備からいい流れを持ってくるという考えであれば、素晴らしい送球でしたし、流れを持ってくれたひとつのポイントでもあったのではないでしょうか」
また加藤健バッテリーコーチは、準備の質に着目。「盗塁を刺すということはかなりの流れがきますからね。あそこは祐大がうまく刺してくれたので、あれはすごく良かったですね。デッドボール後でも、もしかして走ってくるかというところで祐大が準備をしてくれたからですね」
とうの山本祐大も「いいスタートを切られたのですが、いいところに投げられて、宮下もすごくいいタッチをしてくれました。流れを切れたかどうかはわかりませんが、まだどっちに転んでもわからない流れのなかでピシャっといけたことは良かったと思います」と手応えを感じつつも、謙虚にこのプレーを振り返った。
ヒーローインタビューでスポットライトを浴びたのは、もちろん打撃でアピールした若武者たち。しかし勝利のレールを敷いたのは、山本祐大の強肩と守りの意識にもあった。
取材・文 / 萩原孝弘