◆ エースが鳴らす警鐘
勝利に沸く11日の横浜スタジアム。今季2勝目をあげ、お立ち台に上った東克樹は、公然の前でチームに、己に喝を入れた。
「7回のホームランでの得点とか、ああいった試合の中でああいったミス、そんなことをしているようでは優勝は遠のいてしまうので、チーム一丸となって気を引き締めてこれからも頑張りたいと思います」
勝利投手の口から出た反省の弁。発端は7回、簡単に2アウトを取り続くモンテロもセカンドゴロに打ち取った。誰もがチェンジを確信した瞬間、牧秀悟の送球が逸れた。直後、坂倉将吾に被弾。1点差に詰め寄られ、東はこの回でマウンドを降りることとなった。
エラーがなければまだ90球。まだ続投も考えられた。エースとして味方のミスを帳消しにしたかった。しかしそれができなかった現実を鑑みて、ヒーローになりながらも厳しい言葉を発した。そこには自身の開幕戦の牽制球をダヤン・ビシエドがエラーし、得点につながったケースも脳裏をかすめていたとも想像できる。
◆ 首脳陣も危機感
相川監督もエースの訴えを重く受け止める。「当たり前のようにあそこは1個取るというプレーなのでね。ああいうところから崩れていくことは当然あることなので。取れるアウトを取れないと苦しくなるのは投手の野手も同じです。チーム全体でやっていくしかない」
ここまで13試合を消化し、エラーはリーグワーストの9。藤田一也内野守備コーチは「僕にも責任があります」と担当として現実を見つめる。
「あれはチームにとっても大きなミス。隙を見せるとこういうことになるよというところです。まぁ牧も悪いですけど、ファーストもカバーできたかもというところも含めてですね」
東の発言には「覚悟がないと言えないですし、自分への悔しさもあったんじゃないですかね。言ったことで自分にプレッシャーかかるので、東も次は失敗できなくなってくると思いますし、他の選手もこれではダメだってなりますよね」とエースの自覚と責任感からだと分析する。
カード一回りして露呈した課題。「チーム状態が良くない中で、いろいろ出てきてしまってますね」
12日もレフトのクーパー・ヒュンメルの落球から3点を失った。「ミスをカバーできるのも野球なんです。優勝するような強いチームはミスのあとにズルズルいかないんです。あそこも3点ではなく、最少失点で止められるようねチームを作っていけないといけないですね」
そのうえで「逆に考えれば大事なときに出てしまうよりはいいかと。まだ巻き返せるところなのでね。今のうちにいろいろな課題が出て、それが前半で良かったねと最終的に言えるようなチーム力を付けていきたいです」と改善に策を練ると結んだ。
カードが一回りし、露呈した守備の綻び。これを変革の種とし、凡事徹底を細部まで突き詰める作業は、優勝を狙うチームの必要最低条件となる。
取材・文/ 萩原孝弘