中日・最後の新人王は川上憲伸
昨年の新人王はセ・リーグが阪神の高山俊、パ・リーグが日本ハムの高梨裕稔が受賞した。その他の球団も他の年に新人王を輩出しているが、中日だけ唯一21世紀に入ってから新人王を獲得した選手が現れていない。
中日が最後に新人王を獲得したのが、1998年の川上憲伸となる。川上は明治大から逆指名で中日に入団。プロ1年目の98年から先発ローテーションを掴むと、オールスターにも出場し、第1戦でMVPを獲得。シーズン通して安定した投球を見せた川上は、14勝6敗、防御率2.57の成績を残した。
この年のルーキーは川上の他、打率.300、19本塁打を記録した高橋由伸(巨人)、リーグ3位の打率.327をマークした坪井智哉(阪神)、54試合に登板した小林幹英(広島)などがいたが、川上が新人王に輝いた。
翌年以降も、99年の岩瀬仁紀、福留孝介、12年の田島慎二、14年の又吉克樹などが1年目から好成績を残したが、新人王を受賞することができなかった。
ドラ1・柳、憲伸以来の新人王に期待
新人王から遠ざかっている中日だが、ドラフト1位で入団した柳裕也(明治大)に川上以来の快挙達成に期待がかかる。
横浜高、明治大と“野球エリート”街道を突き進んできた柳。横浜高時代には2年春の選抜で甲子園デビューを果たすと、2年夏、3年春と3度甲子園のマウンドにあがった。高校卒業後はプロ入りせず、明治大に進学。
1年春からリーグ戦に出場し、3年秋、4年春と秋にリーグベストナインに選出。大学4年時には明治大で、川上憲伸以来となる投手でチームキャプテンを務めた。六大学通算は、55試合に登板して、23勝8敗、防御率1.84。奪三振数は歴代8位の338三振を記録する。
大学の先輩・川上と同じ中日に入団した柳。球団ワーストとなる4年連続Bクラスの中日の先発陣は、昨季規定投球回に到達した投手は誰もいない。先発が不足している状況で、ルーキーの柳も先発ローテ入りのチャンスはある。中日から19年ぶりの新人王、5年ぶりのAクラス入りするためにも、柳は先発ローテに入り即戦力の活躍が求められる。
12球団最後の新人王
【日本ハム】16年 高梨裕稔
成績:37試 10勝2敗 防2.38
【ソフトバンク】
2009年 摂津正
成績:70試 5勝2敗 防1.47
【ロッテ】
2014年 石川歩
成績:25試 10勝8敗 防3.43
【西武】
2011年 牧田和久
成績:55試 5勝7敗22S 防2.61
【楽天】
2013年 則本昂大
成績:27試 15勝8敗 防3.34
【オリックス】
2008年 小松聖
成績:36試 15勝3敗 防2.51
【広島】
2014年 大瀬良大地
成績:26試 10勝8敗 防4.05
【巨人】
2011年 沢村拓一
成績:29試 11勝11敗 防2.03
【DeNA】
2015年 山崎康晃
成績:58試 2勝4敗37S 防1.92
【ヤクルト】
2013年 小川泰弘
成績:26試 16勝4敗 防2.93
【阪神】
2016年 高山俊
成績:134試 率.275 本8 点65
【中日】
1998年 川上憲伸
成績:26試 14勝6敗 防2.57