新年を迎え各球団の補強が一段落し、今季の布陣が固まってきた。新戦力、若手、ベテランによるポジション争いも同時に始まっている。今回は、激しいポジション争いを繰り広げることが予想されるセ・リーグの遊撃手に注目してみた。
◆ 阪神は鳥谷敬vs北條史也
昨季7月24日の阪神対広島の一戦でスタンドがざわめいた。阪神の不動の遊撃手である鳥谷敬の名前がスタメンから消えたのだ。以降、鳥谷はスタメンを外れることも増え、遊撃手ではなく三塁手としての出場が増えた。シーズン終盤には、阪神の遊撃手は完全に北條史也へと固定された。
鳥谷にとって今季は背水の陣となるが金本監督の面談で「遊撃手一本で勝負する」と伝えたという。そして契約更改後の会見では「もう現実的にレギュラーじゃないんで…」と語り一から北條と勝負する気持ちを明らかにした。
開幕スタメンの座を勝ち取るのはベテラン鳥谷なのか。それとも新時代の幕開けとなる北條なのか。今から楽しみだ。
◆ ヤクルトは大引啓次vs.西浦直亨
ヤクルトの遊撃手は大引啓次と西浦直亨が争うことになりそうだ。昨季は前半戦、離脱期間中を除き大引が遊撃手のスタメンを務めていた。だが後半に入ると、西浦がスタメンで遊撃手を守る機会が多くなった。
法政大学の先輩・後輩でもある2人は、今季キャンプから遊撃手のレギュラーを賭けて争うことになる。契約更改時に西浦は「若さで勝負したい」と先輩である大引に宣戦布告した。
ヤクルトはこの2人以外にも、谷内亮太、広岡大志などがいる。谷内は昨季20試合の出場ながらも、打率3割をマーク。守備でも遊撃手だけでなく、内野全ポジションをこなすことができるユーティリティープレーヤーだ。大引、西浦2人の争いに割って入る可能性も十分にある。
そして三浦大輔氏(元DeNA)の引退試合で、高卒ルーキーとしては高木守道(元中日監督)以来2人目となる初打席初本塁打をマークした広岡も候補の1人だ。対DeNA戦で、初打席初本塁打をマークしたのは、遊撃手のレギュラーを争う西浦と同じ。高卒2年目ということもあり、まだ荒削りだが虎視眈々とレギュラーを狙う。
◆ 中日は堂上直倫vs.京田陽太
昨季中日の堂上直倫は、プロ10年目にして遊撃手のレギュラーを獲得した。しかし、今季はドラフト2位ルーキーである京田陽太とポジションを争うことになりそうだ。
昨年のドラフト会議で大学生遊撃手のトップ2と評されていた京田と吉川尚輝(巨人)。守備は京田が上との評価が多く京田、吉川が同時に出場している侍ジャパン大学日本代表の試合では京田が遊撃手を務め吉川が二塁手へ回った。
堂上は10年目で手にいれたポジションを1年で明け渡すわけにはいかない。京田の挑戦を受けプロの意地を見せるつもりだ。