コラム 2017.01.23. 12:30

サプライズはあるか…侍ジャパンに推したい“不屈の男”

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プレー以外でもチームに好影響をもたらす男・川崎宗則

まもなく登録メンバー発表


 3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの最終メンバーが、24日にも発表される予定となっている。

 すでに事前に発表があったいわゆる“一次メンバー”とメジャーリーガー・青木宣親の19人は決まっているため、果たして残りの9枠に誰が招集されるのか、注目が集まっている。

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 今回は大谷翔平(日本ハム)、筒香嘉智(DeNA)、山田哲人(ヤクルト)といった若い選手たちがチームの中心を担い、唯一の“海外組”となりそうな青木宣親(アストロズ)や内川聖一(ソフトバンク)といったWBC経験者が脇を固める。

 ダルビッシュ有(レンジャーズ)や田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)といったところの不参加は手痛いことに変わりないが、故障のリスクを考えると致し方ないところ。先発投手陣は大谷のほか、菅野智之(巨人)や則本昂大(楽天)といった若い力に期待せざるを得ない状況だ。


おすすめしたい選手が


 メンバーに関しては事前の報道で出尽くしている感は否めないが、ここでは“サプライズ”の可能性について考えてみたい。

 ギリギリまで多かったのが、イチロー招集という声。やはり日本野球の象徴であり、WBCの日本代表とこの男は切っても切り離せない関係にあるというのも分かるのだが、実現性は低いだろう。


 それでは、今月カブスへの残留が決まった川崎宗則はどうだろうか。

 もし招集されれば、その個性的なキャラクターは絶対的なリーダー不在といわれる侍ジャパンのムードメーカーとしても期待できる。何よりも、小久保裕紀監督とはホークス時代に同じ釜の飯を食った間柄だ。

 当然、戦力としても計算できる選手であることは間違いない。2006年と2009年のWBCを経験しており、2大会通算で打率.294(34打数10安打)と国際大会で安定した成績を残す。

 また渡米6年目を迎え、メジャー球や天然芝でのプレーに慣れているという強みも持っており、加えて二塁・三塁・遊撃を守れるユーティリティー性も大きな武器となる。バント、盗塁、エンドランといった小技もそつなくこなし、まさに短期決戦にはうってつけの選手であると言えよう。


チームにプラスをもたらす“不屈の男”


 今のところ、メジャー組で招集されるのは青木のみの予定だ。ただし、初期メンバーに漏れた場合でも、チームが決勝ラウンド進出を決め、内野陣に緊急事態があった際には声がかかってもおかしくないだろう。

 思い返してみると、2009年のWBCでは村田修一(当時横浜)が負傷したため、第2ラウンドの途中から栗原健太(当時広島)が緊急合流。急遽アメリカに呼び寄せたという例もある。

 カブスのキャンプ地であるアリゾナ州と、決勝ラウンドが行われるドジャースタジアム(カリフォルニア州ロサンゼルス)は飛行機なら約1時間30分という距離。日本から緊急で呼び寄せるよりも手間はかからない。また、川崎が移籍せず、昨季に続きカブスでプレーするということも招集の障壁にならないはずだ。

 比較的若いメンバー構成となりそうな今年の侍ジャパン。その中で、川崎のこれまでの経験値はきっとチームの役に立つだろう。土壇場でのサプライズ選出に期待したい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)