松井裕樹が挑む球団初の100セーブ
3年目のシーズンへ向けて、準備を整える楽天・松井裕樹。24日に正式発表となる侍ジャパンメンバーにも選出有力と言われている21歳は、今季の目標に「防御率0点台と40セーブ」を掲げている。
絶対的なクローザーへ...。もしこの目標を達成することができれば、プロ入り&抑え転向からわずか3年で通算100セーブの大台に到達することになる(ここまで通算63セーブ)。
2005年に産声を上げた楽天の球団史の中で、これまで100セーブを記録した投手というのは一人もいない。若き左腕には球団初の偉業へ、期待が高まる。
実は「100セーブ投手」を輩出していない球団
12球団の中で“100セーブ投手”(※在籍中のセーブ数に限る)を輩出しているのは10球団。楽天以外で100セーブ投手を持たない球団が、意外なことに巨人なのだ。
ちなみに最多は中日、広島、DeNA、ソフトバンクの4チームで、それぞれ3人の100セーブ投手が誕生している(中日=岩瀬仁紀、ギャラード、郭源治。広島=永川勝浩、大野豊、佐々岡真司。DeNA=佐々木主浩、斉藤明夫、山口俊。ソフトバンク=馬原孝浩、サファテ、ペドラザ)。
話を巨人に戻すが、在籍時のセーブランキング上位10人の顔ぶれを見ると、懐かしい名前を見つけることができる。
<歴代セーブ数ランキング、巨人在籍時>
1位 93S 角 盈男
1位 93S マーク・クルーン
3位 81S 西村健太朗
4位 80S 石毛博史
5位 73S 沢村拓一
6位 58S 鹿取義隆
7位 56S 槙原寛己
8位 43S マシソン
9位 40S 河原純一
10位 37S 岡島秀樹
トップタイの角は、巨人のほかに日本ハムとヤクルトで合計6セーブを記録。プロ通算は99セーブに終わり、こちらも100セーブにあと一歩届かなかった。
4位の石毛は1990年代前半にクローザーに定着するも、制球難もあり巨人時代は80セーブに終わった。6位の鹿取は西武に移籍した後に巨人時代を上回る73セーブを挙げ、プロ通算を131に伸ばして現役を終えている。
この上位10人の中で、現在も巨人でプレーしているのが西村、沢村、そしてマシソンの3人だ。昨季セーブ王に輝いた沢村は今季もクローザーを務める可能性が高く、27セーブ以上挙げることができれば球団初の100セーブに手が届く。
しかし、昨シーズンは大事な場面で制球を乱すシーンも見られ、痛打される場面も目立った。新助っ人・カミネロも加入しているだけに、クローザーの座は決して安泰とはいえない。
楽天と巨人以外の10球団がすでに輩出している100セーブ投手。今シーズン中にその数が全12になる可能性もある。松井と沢村は今季、セーブ数をどこまで伸ばせるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)