コラム 2017.02.02. 18:00

“老練”から“メジャー通算2877安打”の名選手まで…WBCライバル監督たち

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メキシコのゴンザレス監督(左)、日本の小久保監督(中)、オランダのミューレンス監督(右)

どうなる侍ジャパン!?


 約1カ月後に迫ったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。ここにきて大黒柱として期待された大谷翔平(日本ハム)が投手としての代表辞退を表明するなど侍ジャパンに暗雲が垂れ込めている。

 しかし大谷の“辞退報道”が出る前から今回の侍ジャパンの実力には疑問の声があがっている。特に小久保氏の監督としての経験の浅さに対する不安の声は根強い。2012年に現役を引退後、評論家を経て2013年に日本代表監督に就任。一度もコーチや監督を経験することなく、いきなり代表監督に任命され、これまでの強化試合などでも経験の浅さが露呈している。


東京プールのライバル国は…


 日本を含めて16チームによって争われる今回のWBC。小久保ジャパンのライバル国の監督はどのような面々がいるのだろうか。

 まず最大のライバル・韓国は、国際大会で何度も日本を苦しめてきた金寅植(キム・インシク)が監督を務める。短期決戦にはめっぽう強く、2006年の第1回WBCでは日本に2連勝。第2回大会でも日本と互角に渡り合い、準優勝という成績を収めるなど、その実績は多くの人が知るところ。世界一奪還を目指すのであれば、避けては通れない“難敵”だ。

 また、1次ラウンドで同じA組に入ったキューバも侮れない。決勝に進んだ2006年当時に比べ、メジャーリーグに進む選手が増えた影響もあり、選手層は決して厚くない。しかし、打線の破壊力は折り紙付き。監督は、国内リーグでグランマを優勝に導いたカルロス・マルティだ。


決勝ラウンドで待ち受ける!?名将たち


 決勝ラウンドまで対戦することはないが、アメリカは名将ジム・リーランドを監督に据えた。72歳という高齢、さらに最後の現場から3年以上経過しているというブランクもあるが、マーリンズを率いた1997年には世界一にもなっている。

 前回のWBC覇者であるドミニカは、優勝監督のトニー・ペーニャが再び指揮を執る。4年前は8戦8勝と他国を寄せつけず、WBC史上初の完全優勝を果たした。メジャーリーグでも2003年にロイヤルズを率いてア・リーグ最優秀監督に選ばれている。ペーニャマジックの再現は見られるだろうか。

 そのドミニカに決勝で惜しくも敗れたプエルトリコもエドウィン・ロドリゲス監督が再登板を果たす。日本にとっては大会3連覇を阻まれた因縁のチーム。選手層ではドミニカやアメリカに及ばないが、再び快進撃を見せたいところ。

 ベネズエラはメジャー通算2877安打を放ったオマー・ビスケル氏が監督を務める。選手としての実績では全監督のなかでも屈指の存在だ。指導者としても現役引退後はタイガースなどで守備コーチを務めている。これまでの経験を生かし、初の国際舞台でチームをまとめ上げることができるのか、その手腕に注目だ。


元NPBの面々も


 他には、メキシコのエドガー・ゴンザレス監督(元巨人)、チャイニーズ・タイペイの郭泰源監督(元西武)、オランダのヘンスリー・ミューレンス監督(元ロッテ)など、日本になじみ深い人物が多いのも今大会の特徴の一つ。そんななか、3年半の歳月をかけて作り上げた“結束”を武器に小久保監督は存在感を示すことができるのだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)
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