いよいよ野球のシーズン
アメリカで最も盛り上がるとも言われる一大スポーツイベント「スーパーボウル」が閉幕。今年は常勝軍団・ペイトリオッツが世紀の大逆転劇を演じ、視聴率も45.3%という高い数字を記録した。
NFLシーズンの終わり――。これはアメリカでは“ベースボールの季節の到来”を意味する。
毎年「スーパーボウル」の直後にMLB公式サイト『MLB.com』から発表されるのが、800人以上のメジャーリーガーを格付けするランキングだ。
メジャーの中心はこいつらだ!
このランキングは、実在の選手を選んでチームを組み、その選手の実際の成績によって得られるポイントで順位を競う人気ゲーム『ファンタジーベースボール』の予想をする上で参考にするために公開されるものである。
今年は計820選手が格付け。全体1位はエンゼルスのマイク・トラウト。昨季のア・リーグMVPは、ここ数年ランキング上位の常連選手だ。
順位とともに今季の成績予想も並んでおり、トラウトは打率.305に36本塁打、104打点で25盗塁と、いずれも大きい数字となっている。やはり今年もメジャーの中心にいる男と見て間違いないようだ。
25歳のトラウトを筆頭に、上位は20代の選手が占めたのも特徴的。2位は24歳のムーキー・ベッツ(レッドソックス)、3位は26歳のホセ・アルトゥーベ(アストロズ)と来て、4位に25歳のクリス・ブライアント(カブス)、5位が25歳ノーラン・アレナド(ロッキーズ)。これからのメジャーを背負って立つ男たちの名前が並んだ。
また、お気づきの方もいるかと思うが、ここまで投手がいない。投手の1位は、全体7位に入るドジャースのクレイトン・カーショー。昨年に続いての投手1位に選ばれた。ちなみに、19勝5敗で防御率1.88という成績が予想されている。
先発投手でカーショーに次ぐ防御率2位に予想されたのはメッツのノア・シンダーガードになるが、その数字は2.72。カーショーのレベルが頭1つ以上抜けていることがわかる。
きになる日本人選手は...
注目の日本人選手はというと、レンジャーズのダルビッシュ有が全体41位(先発投手部門11位)に格付けされた。
次いでヤンキースの田中将大が92位(先発投手部門21位)にランクイン。予想成績はダルビッシュが15勝9敗、防御率3.32。田中は14勝7敗、防御率3.36となっている。
この他にドジャースの前田健太が全体123位(13勝11敗、防御率3.70)、マリナーズの岩隈久志は同218位(12勝10敗、防御率3.85)。4人の日本人先発投手が12勝以上挙げるという予想が出た。
ここ数年、苦戦を強いられている日本人野手はというと、青木宣親(アストロズ)が全体435位、イチローが同585位に格付けされている。イチローは打率.277、1本塁打、19打点で9盗塁と昨季に比べ若干だが成績を落とすとみられているようだ。
ちなみに、1年前のランキングでは田中が全体120位、ダルビッシュが同131位、岩隈が同155位、前田が237位という低評価だったが、今年はダルビッシュ、田中、前田の3人が大きく期待値を挙げた格好だ。ダルビッシュや田中には、全盛期のイチローのように全体のトップ10に格付けされるような活躍に期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)