コラム

WBCイヤー、特殊な開幕投手争いの行方は

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楽天の則本昂大

大谷は故障でWBC出場を辞退


 今月1日のキャンプインから間もなく2週間。25日にはオープン戦が始まり、開幕の足音が少しずつ聞こえてきた。

 例年、キャンプからオープン戦にかけて、開幕投手争いに注目が集まる。昨年は日本ハムの栗山英樹監督が二刀流の「2」に思いを込め、2月22日午後2時22分に大谷翔平を開幕投手に指名。結果的に大谷は投打で活躍し、チームを日本一に導いた。

 その大谷だが、故障のため3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を辞退。3月31日の開幕のマウンドに、間に合わない可能性があるとの報道も出ている。

3人WBCに派遣した06年のロッテの開幕は…


 4年に1度のWBCが開幕直前の3月に開催されることから、通常ならキャンプからオープン戦を経て、開幕に照準を合わせる投手たちが例年より1か月近くも早く準備を進める必要が生じる。そして過去3度のWBCでは日本代表がいずれも決勝ラウンドに進んだこともあり、WBCからシーズン開幕までの期間が非常に短くなり、WBCでの疲れを取るなどの理由で開幕のマウンドに立てない“エース”が続出した。

 例えば、第1回WBCが開催された2006年には当時のロッテの先発3本柱(渡辺俊介、小林宏之、清水直行)がそろってWBCに選出されたため、前年に新人王を取ったとはいえ、実質“先発4番手以下”だった2年目の久保康友(現DeNA)が、開幕投手の大役を任された。

 久保は1年目の10勝3敗から2年目は7勝13敗に成績を落とし、チームも前年の日本一から4位に転落。先発投手3人をWBCに送り込んだロッテにはマイナスに作用してしまった。


13年にはルーキーが開幕投手に


 逆に2013年の楽天はエースの“開幕不在”をプラスに転じさせた。前年の2012年に奪三振王に輝いた田中将大(当時楽天)が、やはりWBC出場のため、その年の開幕先発を回避。代わりに新人の則本昂大が大役を担った。

 結果的に則本は、1年目から15勝を挙げる活躍を見せ、チームの優勝に貢献。開幕から4戦目に先発した田中もその年、24勝0敗という神がかり的な活躍を見せたのは記憶に新しい。


WBCで他の先発にも開幕のチャンス


 今年も、もしWBCがなければ巨人の菅野智之などは、開幕先発が濃厚だっただろう。しかし菅野はメジャー勢不在の侍ジャパン先発陣の柱としても期待されており、日本代表が勝ち進めば3月31日の開幕先発には間に合わない公算が高い。

 しかし、逆に言えば、他の投手には“開幕投手”の称号を得る格好のチャンスになるということだ。巨人に限らずエース級の投手をWBCに派遣するチームにとっては、チャンスにもピンチにもなり得るのだ。

 4年に1度、WBCの年に発生する特殊な開幕投手争い、今年はどんな展開が待っているのだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)
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