日本のプロ野球界で打者三冠王に輝いた経験を持つのは、王貞治や落合博満など僅かに7人しかいない。過去30年間では、2004年の松中信彦ただ一人だ。三冠王と言わずとも、本塁打王争いも例年、外国人選手を中心に展開されることが多い。
例えば、セ・リーグは2009年から6シーズン連続で外国人選手が本塁打王に輝くなど、特にセ・リーグでは和製大砲が長らく育っていなかった。そこに登場したのが山田哲人(ヤクルト)と筒香嘉智(DeNA)の2人だった。山田は大砲タイプではないが、筒香はまさに“和製大砲”と呼ぶにふさわしい選手の一人だろう。WBCでも活躍が期待され、近い将来に三冠王の獲得も期待せざるを得ない。
現在の若手で第2の筒香になり得る“和製大砲”候補はいるのだろうか。25歳以下の若手の中から、5人をピックアップした。
▼ 岡本和真(巨人)
入団時から将来の4番候補として期待が高い。昨季は三塁の定位置争いが期待されたが、一軍での出場は僅か3試合に終わった。それでもイースタン・リーグでは2位となる18本塁打を放った。今季はより多くの出場機会を求めて外野にも挑戦中だ。
▼ 吉田正尚(オリックス)
昨季は球団の新人では31年ぶりに2桁本塁打を放った。フルスイングが持ち味だが、三振は少なく、本塁打だけでなく打率も残せるタイプと言っていいだろう。2年目にして打撃タイトル争いに加わってきても決しておかしくない実力の持ち主だ。
▼ 原口文仁(阪神)
今回取り上げた5人の中では最年長の25歳。筒香と同学年にあたる。昨季は育成契約から見事にはい上がり、11本塁打を放った。捕手登録だが、ここにきて一塁手として固定される方針が決まった。打撃に集中できる分、今季は20本塁打以上も射程圏だ。
▼ 横尾俊建(日本ハム)
ドラフト6位という評価ながら、1年目の昨季、イースタン・リーグで15本塁打を放ち、大砲候補に名乗りを挙げた。一軍では17打数2安打(打率.118)とプロの洗礼を浴びた。まずは一軍定着を狙う。中田翔が今季中に国内FA権の取得が濃厚となっており、チームとしても後釜候補としてじっくり育てたい選手の一人だろう。
▼ 白根尚貴(DeNA)
高校時代はどちらかというとパワフルなピッチングで知られていたが、野手としてプロ入り。プロ5年目の昨季、ようやく一軍デビューを果たすも3試合、4打数無安打に終わった。ここで挙げた5人の中では最も粗削りの印象もあるが、それだけ未知の魅力があると言っていい。岡本と同様、今季から外野にも挑戦している。まずは一軍に定着したいところだ。
以上5人の名前を挙げたが、一軍での実績という面ではどの選手もまだまだ物足りない。2017年を飛躍の年にして羽ばたく選手はこの中から現れるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)
例えば、セ・リーグは2009年から6シーズン連続で外国人選手が本塁打王に輝くなど、特にセ・リーグでは和製大砲が長らく育っていなかった。そこに登場したのが山田哲人(ヤクルト)と筒香嘉智(DeNA)の2人だった。山田は大砲タイプではないが、筒香はまさに“和製大砲”と呼ぶにふさわしい選手の一人だろう。WBCでも活躍が期待され、近い将来に三冠王の獲得も期待せざるを得ない。
現在の若手で第2の筒香になり得る“和製大砲”候補はいるのだろうか。25歳以下の若手の中から、5人をピックアップした。
▼ 岡本和真(巨人)
▼ 吉田正尚(オリックス)
昨季は球団の新人では31年ぶりに2桁本塁打を放った。フルスイングが持ち味だが、三振は少なく、本塁打だけでなく打率も残せるタイプと言っていいだろう。2年目にして打撃タイトル争いに加わってきても決しておかしくない実力の持ち主だ。
▼ 原口文仁(阪神)
今回取り上げた5人の中では最年長の25歳。筒香と同学年にあたる。昨季は育成契約から見事にはい上がり、11本塁打を放った。捕手登録だが、ここにきて一塁手として固定される方針が決まった。打撃に集中できる分、今季は20本塁打以上も射程圏だ。
▼ 横尾俊建(日本ハム)
ドラフト6位という評価ながら、1年目の昨季、イースタン・リーグで15本塁打を放ち、大砲候補に名乗りを挙げた。一軍では17打数2安打(打率.118)とプロの洗礼を浴びた。まずは一軍定着を狙う。中田翔が今季中に国内FA権の取得が濃厚となっており、チームとしても後釜候補としてじっくり育てたい選手の一人だろう。
▼ 白根尚貴(DeNA)
高校時代はどちらかというとパワフルなピッチングで知られていたが、野手としてプロ入り。プロ5年目の昨季、ようやく一軍デビューを果たすも3試合、4打数無安打に終わった。ここで挙げた5人の中では最も粗削りの印象もあるが、それだけ未知の魅力があると言っていい。岡本と同様、今季から外野にも挑戦している。まずは一軍に定着したいところだ。
以上5人の名前を挙げたが、一軍での実績という面ではどの選手もまだまだ物足りない。2017年を飛躍の年にして羽ばたく選手はこの中から現れるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)