大役を任命された12名
いよいよ開幕するプロ野球の2017年シーズン。たかが「143分の1」...とはいかないのが開幕戦。これからはじまる長いシーズン、良いスタートを切りたいのはどこも同じ。そんな重要な試合だからこそ、任される先発投手は“開幕投手”として大々的に取り上げられる。
今年は先日まで開催されていたWBCの影響もあり、お馴染みの顔ぶれの中にも新たに抜擢された若き力やまさかの代役など、例年とはひと味違った開幕戦となりそうなメンバーに。各球団の開幕投手は以下の通り。
【2017年プロ野球・開幕投手】
<セ・リーグ>
▼ 広島:クリス・ジョンソン/2年連続2度目
☆昨季の成績:26試 15勝7敗 防2.13
☆開幕戦通算:1試合 0勝1敗
▼ 巨人:マイルズ・マイコラス/初
☆昨季の成績:14試 4勝2敗 防2.45
☆開幕戦通算:初登板
▼ DeNA:石田健大/初
☆昨季の成績:25試 9勝4敗 防3.12
☆開幕戦通算:初登板
▼ 阪神:ランディ・メッセンジャー/3年連続4度目
☆昨季の成績:28試 12勝11敗 防3.01
☆開幕戦通算:3試 1勝1敗
▼ ヤクルト:石川雅規/5年ぶり8度目
☆昨季の成績:20試 8勝8敗 防4.47
☆開幕戦通算:7試 4勝3敗
▼ 中日:大野雄大/2年連続2度目
☆昨季の成績:19試 7勝10敗 防3.54
☆開幕戦通算:1試 1勝0敗
<パ・リーグ>
▼ 日本ハム:有原航平/初
☆昨季の成績:22試 11勝9敗 防2.94
☆開幕戦通算:初登板
▼ ソフトバンク:和田 毅/6年ぶり4度目
☆昨季の成績:24試 15勝5敗 防3.04
☆開幕戦通算:3試 2勝0敗
▼ ロッテ:涌井秀章/3年連続8度目
☆昨季の成績:26試 10勝7敗 防3.01
☆開幕戦通算:7試 5勝2敗
▼ 西武:菊池雄星/2年連続2度目
☆昨季の成績:22試 12勝7敗 防2.58
☆開幕戦通算:1試 0勝0敗
▼ 楽天:美馬 学/初
☆昨季の成績:26試 9勝9敗 防4.30
☆開幕戦通算:初登板
▼ オリックス:金子千尋/2年連続6度目
☆昨季の成績:24試 7勝9敗 防3.83
☆開幕戦通算:5試 2勝0敗
初めては4人
初めての大役となるのがマイコラス、石田、有原、美馬の4名。なかでも美馬の選考には紆余曲折があった。
楽天と言えば則本昂大が4年連続で開幕投手を務めていたが、今年はつい先日までWBCに参戦していたために回避。代役にはFAで新加入した岸孝之が入ることですんなりと収まった...はずだった。
ところが、その岸が開幕を目前にしてインフルエンザを発症。調整ができなくなったため、“代役の代役”という形で美馬に大役が転がり込んできたのだった。
一方、DeNAの3年目左腕・石田は対照的で、年明け早々にはアレックス・ラミレス監督より開幕投手に任命された。2年目の昨季は9勝を挙げるブレイクで、チームの初めてのCS進出に貢献。真価が問われる3年目、良いスタートを切ることができるだろうか。
涌井と石川は8度目
今年の12名のなかで経験値が高いのは涌井と石川の2人。なんと今年で8度目の大役となる。
涌井は西武時代の2008年に初めての開幕投手を経験すると、そこから5年連続で開幕戦を担当。移籍もあって連続記録は途絶えたが、ロッテではこれで2015年から3年連続の開幕投手となった。
ヤクルト一筋16年目の石川は、2005年に初めての開幕投手を経験すると、翌年もその座を譲らず。2007年は石井一久が入ったが、2008年以降は5年連続で開幕戦を担当。2013年から遠ざかった開幕マウンドだったが、今年は5年ぶりにその座を勝ち取ることに成功した。
指揮官の期待に応え、チームにシーズン初勝利をもたらすのはどの投手か。先陣を切ってマウンドに登る12名の投手に注目だ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)