イチローの出場機会が減少!?
7日(現地時間)のニューヨーク・メッツ対マイアミ・マーリンズの一戦は、序盤から得点を重ねたマーリンズがメッツに7対2で快勝。チームは4試合を終えて、2勝2敗とまずまずの開幕スタートを切った。
この試合でイチローは出場機会すらなく、今季初安打はお預けとなった。イチローのここまではというと、チームが消化した4試合のうち出場したのは2試合だけ。いずれも代打起用による1打席限定だったため、2打数0安打という寂しい数字が残っている。マーリンズに移籍してこれが3年目。第4の外野手としての立ち位置は過去2年と変わらないはずだが、なかなか打席に立てない理由はあるのだろうか。
一つの要因がレギュラー外野手3人の状態だ。開幕から3番を務めるクリスチャン・イエリチは打率.333、6番のマルセル・オズナは.412と絶好調。主砲のジャンカルロ・スタントンは打率.235と調子は上がってきていないが、パワーヒッターが少ない打線において、なかなかスタメンを外すわけにもいかないというのが実情だろう。チームは今月11日から19日にかけて9連戦が控えているが、イチローのスタメン起用はこの連戦の中盤以降(15日前後)まで待たなければいけない可能性も考えられる。
イチローの出場機会が減少しかねない理由は他にもある。昨季の開幕時点では日米通算安打数の“ピート・ローズ超え”そしてメジャー通算3000安打という2つの大目標があった。そのためチームもイチローの大記録達成に向けて、できる限り打席数を増やそうという後押しもあったはずだ。ところが2つの目標を達成してしまったため、首脳陣も今季は無理に43歳のイチローを起用しないだろう。実際に昨季も“3000安打”達成後は、出場機会がやや減っている。
7日のメッツ戦では試合中盤に6点差をつけ、マーリンズの楽勝ムード。仮に4番手外野手がそれほど実績のない若手なら、試合終盤に代打か守備固めでスタントンに代えて出場させていただろう。しかしイチローがこれまで残した実績が偉大すぎるがために、試合の大勢が決まった場面で起用するのは“失礼”に当たると首脳陣は考えているはず。
実際に7日の試合では5点リードの9回表に投手のマゴワンに打席が回ってきたが、投手がそのまま打席に立つという場面もあった。
イチローは、チームの4番手外野手として今後も限られた出場機会の中で調子を上げていくしかない。しかし、まずは一日も早く今季1本目の安打を記録したいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)