総勢1215人が指名
メジャーリーグのドラフト会議が現地時間12日から3日間に渡り開催され、総勢1215人が指名を受けた。
日本のプロ野球は育成選手を含めても全体で900人ほど。この規模の差には驚く人も多いかと思うが、入り口は広くてもそこからの道のりは険しく厳しいもの。上位で指名されても、メジャーの大舞台までたどり着くことができるのは限られた精鋭だけだ。
父は通算354発の強打者
今年のドラフト上位組で目に付いたのが、2巡目(全体58位)でジャイアンツから指名されたジェイコブ・ゴンザレスだ。
今月の26日で19歳を迎える右投右打の三塁手であるが、何と言っても父はメジャーで19年間(1990~2008)プレーしたルイス・ゴンザレスということで、メジャーリーグファンから大きな期待を受けている。
ルイス・ゴンザレスといえば、最も印象深いのが2001年のワールドシリーズだろう。ダイヤモンドバックスの一員として戦ったルイスは、第7戦でヤンキースの絶対的守護神であったマリアノ・リベラからサヨナラ安打を放ち、チームをワールドチャンピオンに導く立役者となった。
その年はシーズン57本塁打を記録するなど、通算本塁打は354本をマーク。オールスターにも5度選出された名選手である。
親子の歴史
長い歴史を誇るメジャーリーグでは、そろって実績を残した親子も多い。最も有名なのが、ボビー・ボンズとバリー・ボンズ親子だろう。
父ボビーはメジャー通算332本塁打。シーズン30本塁打&30盗塁の「30-30」は計5度も達成した。その息子バリーはメジャー史上最強スラッガーのひとりとして大活躍。歴代1位となる通算762本塁打を記録し、歴史にその名を刻んでいる。
ほかにもグリフィー親子やアルー親子、2人の息子が第一線で活躍したアロマー親子、さらには親子3代に渡ってプレーしたブーン一族など、枚挙にいとまがない。
また、過去には父親が偉大すぎたというケースも。ヨギ・ベラやトニー・グウィン、トニー・ペレス、ジョージ・シスラー、ピート・ローズらの息子はメジャーの舞台までは到達するも、父親のような活躍は出来なかった。
史上3組目の大記録へ!
果たして、ジェイコブが父を超える日は来るのだろうか…。期待したいのは、親子での通算300本塁打超えという大記録だ。
これまでに達成したのは前述したボンズ親子と、セシル&プリンス・フィルダー親子(ともに319本塁打)の2組だけ。父のルイスが300本塁打以上放っているだけに、是が非でも狙ってもらいたいところ。
高卒ルーキーということもあり、少なくとも3~4年はマイナー生活が予想されるジェイコブ。その先に明るい未来を描くことができるのか、これからの歩みに注目だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)