コラム 2017.06.21. 11:30

チームの起爆剤になるか…近年の『途中入団助っ人』を振り返る

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入団記者会見でポーズをとるロッテのペーニャ=10日、ZOZOマリン(C)KYODO NEWS IMAGES

待望の長距離砲獲得も…


 開幕から低空飛行を続けていたロッテが、ここに来て積極的な動きを見せている。

 まずは5月18日にWBCキューバ代表のロエル・サントスを獲得。リードオフマンタイプの選手の獲得に指揮官の伊東勤が苦言を呈したという一部報道もあったが、それから間髪を入れずに6月6日、チーム待望の長距離砲としてウィリー・モー・ペーニャの獲得を発表した。

 開幕から深刻な長打力不足に悩んでいたロッテにとって、ペーニャ獲得の決め手となったのは「日本球界の経験のある選手」という点である。確かにペーニャは、2012~15年の4シーズンで3球団を渡り歩き、オリックス時代には32本塁打をマークするなど、NPBでの経験も豊富なスラッガーだ。

 シーズン途中での外国人選手獲得は、そのほとんどが低迷するチーム状況を打破するための補強になるだけに、外国人選手にありがちな「海のものとも山のものともわからない」という不確実さを避けたいという想いが強い。その点、日本の野球を経験しているということは“安心感”につながるのだろう。実際に昨シーズン途中入団を果たした外国人選手の11人中3人は、かつてNPBのチームに所属した経験を持つ選手だった。

 しかし、「大ハズレがない」ことを期待されて獲得された“NPB経験者”も、近年の例を振り返ってみるとあまり芳しくないことがわかる。

【過去5年・シーズン途中加入の“NPB経験者”】

<2012年>
エドガー・ゴンザレス(巨人)
57試合 打率.236 本塁打4 打点19

ランディ・ルイーズ(DeNA)
32試合 打率.210 本塁打2 打点5

ホセ・オーティズ(西武)
64試合 打率.286 本塁打9 打点21

ブレット・ハーパー(楽天)
19試合 打率.174 本塁打0 打点1

<2013年>
クレイグ・ブラゼル(ロッテ)
62試合 打率.265 本塁打11 打点33

クリス・カーター(西武)
14試合 打率.133 本塁打0 打点3

ホセ・フェルナンデス(オリックス)
25試合 打率.188 本塁打1 打点4

<2014年>
ジョン・ボウカー(楽天)
65試合 打率.248 本塁打7 打点22

<2015年>
ペク・チャスン(ロッテ)
※一軍登板なし

<2016年>
マイク・ザガースキー(横浜DeNA)
32試合 3勝1敗3ホールド 防御率4.96

アブナー・アブレイユ(巨人)
※一軍出場なし

マット・クラーク(オリックス)
11試合 打率.172 本塁打2 打点4

 上記に挙げた選手たちで、成功したと言えるのは翌シーズンも契約を勝ち取ったオーティズとブラゼルくらい。「安心感がある」という理由でNPB経験者を獲得してきても、期待に応えられないというパターンも多いのだ。


途中入団外国人における「成功の法則」


 一方、NPB未経験のながらシーズン途中からの加入で翌年の契約を勝ち取った外国人選手は、過去5年で16人もいる。顔ぶれを見てみると、現在でも主力を張っている選手も少なくない。

<2012年>
ブラッド・エルドレッド(広島)
65試合 打率.262 本塁打11 打点35
☆本塁打王(2014年)

<2014年>
エルネスト・メヒア(西武)
106試合 打率.290 本塁打34 打点73
☆本塁打王(2014年)

アルフレド・デスパイネ(ロッテ)
45試合 打率.311 本塁打12 打点33

<2016年>
エリアン・ヘレーラ(DeNA)
79試合 打率.218 本塁打5 打点33

 ここでは今シーズンも在籍している選手のみを紹介する形としたが、好成績を残した選手たちの特徴を見るとある傾向が見て取れる。それは性格面、そして年齢だ。

 エルドレッドは不振に終わった13年のオフに一旦は解雇の可能性もあったが、首脳陣は真面目な人格を評価して残留。翌年以降の大爆発につながったエピソードがあり、メヒアも引き抜きの噂が絶えず出ていた中で昨シーズン途中に複数年契約で残留を発表。「ライオンズを愛している」というコメントに西武ファンも胸を熱くした。

 デスパイネもロッテ時代のある試合で、全力疾走を怠った自身を責めて翌日に監督のところへと出向き、周囲を驚かせたこともある。闘志むき出しでプレーするエリアンも、敬虔なクリスチャンとして知られている。

 また、年齢面でもデスパイネが28歳のシーズンで日本に来たのをはじめ、メヒアは29歳、エリアンが31歳で、最年長のエルドレッドも32歳のシーズンでの来日。一方で、NPB経験のある選手はどうしても高齢になってからの復帰になることが多く、期待外れに終わる原因のひとつになっていると見ていいかもしれない。

 その点、サントスは常に全力プレーを怠らないタイプの選手であり、ロッテの勝利の儀式である「ウィーアー」に早速参加するなど、チームに溶け込もうという意識も高い。さらに年齢も今年で30歳とまだ若く、近年の「成功の法則」には沿っていると言える。

 ペーニャも決して手を抜くことなく練習に取り組む選手で、野球に真摯な姿勢は日本向きと言えるが、今年で35歳という年齢面はひとつ心配の種になるか。

 果たして、ロッテが獲得した2人の助っ人はチームの起爆剤となるか。23日から再開するリーグ戦の大きな注目ポイントになる。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)


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