故障者相次ぐチームの起爆剤に!
楽天のオコエ瑠偉が好調だ。
飛躍に期待がかかった2年目の今シーズンは、春季キャンプ開始直後に早くも離脱。一軍に昇格したのは8月4日のことだった。
出だしで大きく躓いたものの、その日から「9番・右翼」でスタメン出場すると、翌日から6試合連続で安打を記録。ここまで9試合で打率.323をマークし、ペゲーロや岡島豪郎ら主力を故障で欠いている外野陣の起爆剤となっている。
オコエは2015年のドラフト1位、厳密に言えば平沢大河(現ロッテ)の抽選を外して迎えた“ハズレ1位”で指名を受けた。
楽天といえば、これまでは一場靖弘(2004年)にはじまり、田中将大(2006年・高)、永井怜(2006年・大社)、最近でも松井裕樹(2013年)というようにドラフト1位で後の主力となる投手を獲得してきた。
その一方で野手の大物指名は過去になく、外国人選手やFAで補強をしてきた経緯がある。オコエは球団史上初の“ドラ1野手”となったのだ。
高校生離れした身体能力を武器に甲子園でも大活躍を見せ、関東一高から鳴り物入りでプロへ。入団後もキャンプから常に注目を集め続け、1年目から一軍で51試合に出場。打率.185、1本塁打、6打点で4盗塁と実戦で経験を積んだ。
オコエが背負う様々な期待
好調をキープしているオコエだが、本当の勝負はこれから。すでに一軍に帯同しているペゲーロの復帰は秒読み段階に入っており、岡島も戻ってくると島内宏明や聖沢諒らを含めた先輩たちとの激しいサバイバルがはじまる。
常にお尻に火のついたような状態となるが、15日の試合では一時同点となる3点適時二塁打を放つなど、生き残りに向けたアピールを継続している。チームとしても優勝争いの真っ只中であるが、ここからの戦いはオコエにとっても正念場だ。
また、田中や松井裕といった大物高卒投手が大きく羽ばたいていった一方、高卒野手の早期ブレイクの前例がない楽天だけに、そういった部分からもオコエの今後には注目が集まる。
レギュラー奪取、優勝争いのキーマン、そして新たなブレイク街道の開拓...。楽天の背番号「9」にかかる期待は大きい。