出場機会が減少…
来月に44歳を迎える、天才打者イチロー(マーリンズ)。今季は、開幕からなかなか調子が上がらず、6月11日の時点で打率は2割を切っていた。その後は徐々に調子を上げ、現在の打率は.252。特に8月は月間打率.346と主に代打の切り札としてチームに貢献している。
マーリンズといえば、スタントン、イエリチ、オズナという不動のレギュラー外野手3人が故障もなく好調。イチローが先発する機会は大幅に減少している。今季の最終的な打席数は「200」に届くかどうかといったペース。自己最少だった昨季の365打席を下回ることは確実だ。
しかしイチローは、限られた打席のなかで、今季すでに3本塁打を放っている。2001年のデビューから17年連続で本塁打を記録したことになる。14年からの3年間はシーズン1本塁打ずつだったため、今季だけですでに過去3年間の本塁打数に並んだ。そんなイチローもメジャー17年目にして初めて「0」で終わりそうな記録が幾つかあるので紹介したい。
今季『0』で終わりそうな記録は…
まずは、各メディアで取り上げられる機会も多い「盗塁」だ。メジャー通算で508盗塁をマークしているイチローも今季はいまだ盗塁がなく、盗塁企図も1度(失敗)だけ。昨季まで16年連続で2ケタ盗塁を記録していたが、1つも記録できないままシーズンを終えてしまうのだろうか。
「三塁打」も今季はいまだ「0」のままだ。昨季は、メジャー通算3000安打を三塁打で飾るなど、合計5本を記録。しかし今季は、二塁打が4本あるが、三塁打は生まれていない。ちなみに自己最少は14年に記録したシーズン2本。俊足を飛ばし、三塁に達するイチローの姿を今一度見ることはできるだろうか。
「敵失による出塁」も今季は「0」のままだ。内野安打と紙一重のこの記録。盗塁、三塁打と並び、イチローの脚力に衰えが見えているのだろうか。マリナーズ時代はシーズン10本以上を打つことも多かった。
4つ目に「敬遠四球」も挙げておきたい。キャリアを通じて主に1番打者として過ごしてきたイチロー。メジャーでの敬遠四球数は現役選手では3位の180個を記録。1位はアルバート・プホルス(エンゼルス)、そして2位がミゲル・カブレラ(タイガース)と現役屈指の主砲クラスが並ぶ。それ以外には「犠飛」も今季は「0」のままだ。
今季は、イチローのシーズン代打安打記録の更新に注目が集まるが、メジャーで16年間続けてきた5つの打撃項目にも注目したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)