コラム

オリックス吉田正尚が抱くホームランへの思い

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8月8日の西武戦、オリックスの吉田正が右中間に2ランを放つ=京セラドーム

どら増田のオリ熱魂!第15回・吉田正尚


 オリックスの吉田正尚が3日の西武戦(京セラD)で第10号本塁打を放ち、昨年のルーキーイヤーから2年連続となる二桁本塁打を記録した。球団としては阪急時代の熊野輝光氏(1985年から3年連続)以来の記録となる。

 今季も腰痛の影響により一軍初出場は7月9日。しかしそれから僅か2カ月で二桁本塁打を打ったことについて、福良淳一監督も「正尚は出遅れたけど最低限の仕事をしてくれている」と評価する。


素晴らしい活躍と人気


「アメージング!」

 今季初昇格した7月9日のロッテ戦でタイムリーを、翌10日の日本ハム戦で第1号本塁打を放ち、2日連続でヒーローインタビューに臨んだ吉田は、今の気持ちを聞かれるとこう叫んだ。

「アメージング!」とは、吉田が目標としているプライス・ハーパーをはじめメジャーの強打者がホームランを放った際、実況のアナウンサーがよく叫ぶフレーズでもある。子供の頃からメジャーリーグの中継にかぶりつきだった吉田にとって馴染み深い言葉だ。

 これがキッカケとなり、球団は『Amazing』グッズの制作に着手。8月11日にアメコミ調にデザインされたTシャツが発売されると即日完売。その後も入荷するたびにすぐに品切れになる状態が続いている。

 さらに、今月と来月の本拠地試合のポスターは、吉田がホームランを打った瞬間の写真を採用。引退試合以外で選手単独のポスター(しかも2バージョン)が作られるのは極めて異例で、このポスターは、なんばや心斎橋といった大阪の市街地でも見ることができる。吉田のフルスイングの写真はインパクトがあったようで、街中でポスターを前に立ち止まる人の姿も多く見られた。


ホームランバッターに憧れて


 ポスターについて「カッコイイですよね。あんなに貼られるとは思ってなかったんで嬉しいです」と笑顔で話す吉田に、『Amazing』Tシャツやクリアファイルを手にしている少年ファンや、吉田のホームランを楽しみに球場に足を運ぶファンが多いことを伝えると、「ホントですか?」と目を輝かせた。

「僕自身、子供の頃にホームランバッターに憧れていたので、僕もそういう存在になりたい。今、野球界全体を見渡しても野球をする子供が減ってるじゃないですか。僕のホームランを見たいというのがキッカケになって野球人口も増えたらいいなと思います」

 吉田がホームランに抱く思いは自身が子供の頃、ホームランバッターに対して抱いていた気持ちと全く変わらない。そして、その先にある野球界の未来をも見据える。


何本のアーチを描くのか!?


「ファンの皆さんの期待感は感じています。いい時も悪い時もありますけど、僕はいつもベストを尽くします。いろんなコンディションの中で、その日のベストを出せるように、一喜一憂することなく結果を出していきたい」

 調子が悪くても翌日にはしっかりと切り替えることが出来ていると話す吉田は、2年連続の二桁本塁打に関して「特に意識はしていない」としながらも、「1本、1本積み重ねて、最終的に20本、30本と続けていければいい」とホームランアーティストとしての野心ものぞかせていた。

 チームの借金完済へ向け、残り25試合で何本『Amazing』なホームランを打ってくれるのか!?一番楽しみにしているのは吉田自身かもしれない。


取材・文=どら増田(どらますだ)
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