コラム 2017.09.27. 18:00

いばらの道か、それとも…!?『現役引退から即監督』の成績を振り返る

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井口、同点弾で引退に花  引退セレモニーでナインから胴上げされるロッテ・井口(C)KYODO NEWS IMAGES

現役引退から即監督就任が近年のトレンド?


 今季限りでの現役引退を発表した井口資仁。9月24日に行われた引退試合でも9回裏に試合を振り出しに戻す2ランを放つなど、これ以上ないくらいに完璧な有終の美を飾りバットを置いた。

 この引退試合を迎えるにあたり、ロッテは井口に来季の監督就任を要請する方針。井口自身も要請を受託する方向で話が進んでいると言われており、来季は「井口・ロッテ」となることが濃厚と報じられている。

 井口は青山学院大学からダイエー(現ソフトバンク)に入団後、チームの主力選手として活躍。2005年にはメジャーリーグ、シカゴ・ホワイトソックスに移籍すると1年目からワールドシリーズ制覇に貢献するなど、その活躍はまさにワールドワイド。2009年からロッテに在籍すると、2010年の下剋上日本一の立役者になるなどチームにはなくてはならない存在だった。

 後輩選手たちの信頼も厚いだけに井口の監督就任を喜ぶファンも多いが、一方で気になるのが「現役引退から時間をおかずに監督になる」という点。今季、巨人で指揮を執る高橋由伸監督をはじめ、指導者経験のないまま監督に就任した選手たちが苦境に立たされるケースも少なくない。

 そこで、今回は過去に「現役引退から即監督」となったケースの成績を振り返りたい。


長嶋巨人の初年度は球団史上初の最下位に


 プロ野球が2リーグ制になった1950年以降、現役引退から即監督に就任した人物は14人いる。彼らの就任1年目の成績と在任期間をそれぞれチェックしてみた。選手兼任監督から専任監督になった選手の場合、選手兼任監督としてのシーズンを除き「監督専任」となったシーズンからカウントしている。まずはセ・リーグから見ていこう。

▼ 水原 茂(巨人)
在籍年数9年(1951年~1960年)
1951年 114試合79勝29敗6分 勝率.731 1位(日本一)

▼ 坪内道典(中日)
在籍年数2年(1952年~1953年)
1952年 120試合75勝43敗2分 勝率.636 3位

▼ 藤田宗一(ヤクルト)
在籍年数2年(1954年~1955年)
1954年 130試合55勝73敗2分 勝率.430 5位

▼ 宇野光雄(ヤクルト)
在籍年数4年(1956年~1959年)
1956年 130試合 61勝65敗4分 勝率.485 4位

▼ 長嶋茂雄(巨人)
在籍年数6年(1975年~1980年)
1975年 130試合 47勝76敗7分 勝率.382 6位

▼ 谷繫元信(中日)
在籍年数1年(2016年)
2016年 103試合 42勝58敗3分 勝率.420 6位
※インフルエンザで欠場した4月22日と休養した8月9日以降の試合は含まず

▼ 高橋由伸(巨人)
在籍年数2年(2016年~)
2016年 143試合71勝69敗3分 勝率.507 2位

 シーズンを通じて勝ち越したのは、7名のなかで昨季の高橋を含めて3名とまずまずだが、一方で2名が最下位に転落。特に長嶋は前年に自身の引退をはじめ、主力選手の退団や主砲・王貞治の故障が重なったとはいえ、球団史上初の最下位に沈むという散々な結果に終わっている。

 巨人では長嶋以来となる即監督の高橋は、初年度に2位となった。しかし、優勝した広島には17.5ゲーム差をつけられ、今季はAクラス入りさえおぼつかないなど、かなりの苦戦を強いられている。


初年度Bクラス入りは短期政権につながる?


 続いてパ・リーグを見ていこう。

▼ 浜崎真二(阪急)
在籍年数3年(1951年~1953年)
1951年 96試合37勝51敗8分 勝率.420 5位

▼ 鶴岡一人(南海)
在籍年数14年(1953年~1968年)
1953年 120試合71勝48敗1分 勝率.597 1位

▼ 岩本義行(東映)
在籍年数3年(1958年~1960年)
1958年 130試合57勝70敗3分 勝率.450 5位

▼ 稲尾和久(西鉄)
在籍年数5年(1970年~1974年)
1970年 130試合43勝78敗9分 勝率.355 6位

▼ 広瀬叔功(南海)
在籍年数3年(1978年~1980年)
1978年 130試合42勝77敗11分 勝率.353 6位

▼ 有藤道世(ロッテ)
在籍年数:3年(1987年~1989年)
1987年:130試合51勝65敗14分(勝率.440)5位

▼ 伊東 勤(西武)
在籍年数:4年(2004年~2007年)
2004年:133試合74勝58敗1分(勝率.561)2位(日本一)
※プレーオフ制度により年間順位は1位

 初年度から優勝した監督が2名いる一方で、稲尾、そして井口の先輩にあたる有藤は最下位に沈んだ。稲尾は「黒い霧事件」後、広瀬は前任の野村克也が解任され主力選手が大量に流出した後の就任ということで戦力が揃わなかったという事情があるが、あまり芳しい成績を残しているとはいえない。

 ちなみにこの14人の平均在籍年数は4.3年と一見長いように思えるが、初年度でAクラスに入れなかった場合は2.6年と一気に短くなる。球団フロントから並々ならぬ期待をかけられている井口だが、初年度からある程度の結果を残さないと短期政権となる可能性も。仮に正式に監督就任となった場合、「井口ロッテ」がどんな戦いを見せるか注目だ。


文=福嶌 弘(ふくしま・ひろし)

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