コラム 2017.11.07. 11:50

悔しさと大舞台を経験した山崎康晃のさらなる飛躍に期待

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日本シリーズ第5戦  ソフトバンクに連勝し、タッチを交わす山崎康(右から2人目)らDeNAナイン=横浜

内川に被弾するまでは完璧な守護神ぶり


 DeNAの2017年シーズンが終わった。リーグ3位からCSを見事に勝ち抜き、3連敗で始まった日本シリーズでは土壇場で2連勝。日本中の野球ファンを沸かせ、28年ぶりとなる3連敗からの大逆転日本一もあり得るかと思わせたが、11月4日の第6戦で力尽きた。

 この試合、1点をリードして9回のマウンドに上がったのはもちろんクローザーの山崎康晃。先頭のデスパイネを打ち取った後、4番・内川聖一に痛恨の同点本塁打を浴びた。その後、打線は相手クローザー・サファテから点を奪えず、11回、川島慶三のサヨナラ打により敗北。パ・リーグの圧倒的王者を相手に大健闘した日本シリーズの幕が下りた。

 DeNAの選手たちは一様に悔しさを感じているはずだが、なかでも山崎の悔しさは人一倍だろう。しかし、同点弾を喫するまでの山崎はまさしく盤石の絶対的守護神の姿を見せてくれた。第5戦までは、CS、日本シリーズを通して8試合に登板し、8回1/3を投げて無失点。与四死球も0という完璧な内容。

 被安打は4だが、回またぎで登板した第5戦を除けば、阪神とのCSファーストステージ第2戦で1安打を許したのみ。日本シリーズMVPに輝いたサファテにも全く引けを取らない守護神ぶりであった。


苦悩も味わったシーズンを経て大きく成長を!


 それでも、逆王手をかける直前で同点弾を許したことは、本人にとって悔しいという言葉だけでは片付けられないに違いない。しかし、投球内容は決して悪くなかった。山崎の決め球である膝元のツーシームをすくい上げて本塁打にするなど、内川だからできる芸当だ。それこそ相手を褒めるしかない。

 今季の山崎には苦悩したであろう時期もあった。開幕間もない4月13日、14日の阪神戦、ヤクルト戦で続けて救援に失敗し、パットンにクローザーの立場を譲ることとなった。それでも与えられた役割をきっちり全うし、その後はセットアッパーとして登板した全15試合を無失点に抑え、1勝0敗11ホールドを記録。完全復調をアピールし、5月20日の巨人戦からクローザーに復帰した。

 結果的に、今季の山崎は史上はじめて入団1年目から3年連続で20セーブをマークし、過去2シーズンをしのぐ防御率1.64を残した。本人にとって、苦しみ、悔しさとともに大きな経験を得られたシーズンだったはずだ。そこに、日本シリーズという日本プロ野球界最高の舞台での経験も上積みされた。

 大きなプレッシャーがかかるクローザーという立場を当たり前のように担う山崎だが、まだプロ3年目の25歳。今回の悔しさと経験を糧にさらなる飛躍を期待したい。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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