慶応のエルドレッド
11月19日、楽天からドラフト2位指名された岩見雅紀(慶大)が入団に合意した。
東京六大学野球では、慶大の先輩・高橋由伸(現巨人監督)が持つ通算本塁打記録にあと2本と迫る21本塁打を記録した和製大砲。迫力満点のスイングとともに目を引くのが、身長187センチ・体重110キロのどっしりした体躯だ。
近年は日本人選手の体格もどんどん大きくなっているとはいえ、プロ野球界を見渡しても岩見と同レベルの肉体を持つ者はほとんどいない。その恵まれた体は、現時点でもプロのなかでトップレベルのものだ。以下は、現役選手の体重ランキング(※日本人選手で公表されているもの)。
【日本人選手体重ランキング】
1位 114キロ 井上晴哉(ロッテ/180センチ)
2位 103キロ 細川 亨(楽天/183センチ)
3位 102キロ 中村剛也(西武/175センチ)
3位 102キロ 新井貴浩(広島/189センチ)
5位 100キロ 中田 翔(日本ハム/183センチ)
5位 100キロ T-岡田(オリックス/187センチ)
5位 100キロ 山川穂高(西武/176センチ)
※体重・身長は2017年開幕時の各球団公式プロフィールを参照。
ご覧のように体重100キロ以上の日本人選手は7人いるが、2位以下は僅差。110キロの岩見はいきなり2位にランクインすることになる。
実績十分のスラッガーがずらり
興味深いのは、新井貴浩(広島)以外はすべてパ・リーグの選手ということ。DH制を採用しているパ・リーグにおいては、よりパワーを重視するチーム作りを行っているということなのかもしれない。5年連続で日本シリーズを制しているパ・リーグが、実力とともに体重でもセ・リーグとの格差を広げているようだ。
ランクインしたメンバーを見ると、新井のほか今季終盤にチームの4番に定着した山川穂高(西武)や中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)、T-岡田(オリックス)と、各球団を代表する重量級スラッガーが居並ぶ。すでにチームの顔となっている彼らのほかにも、プロ入り直後から山川となにかと比較されていた井上晴哉(ロッテ)も将来のブレークを望まれている長距離砲だ。
長打は野球の大きな魅力のひとつ。体重だけで判断するのはさすがに無理があるが、岩見の体格を見る限り、重量級の先輩たちのような実績を残せるよう、“大きく”育ってほしいと期待が膨らむ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)