ドラフト指名選手からは田嶋ら3名
12月14日、日本野球連盟(JABA)による社会人野球の表彰式が行われた。
そのなかで今年の社会人球界を盛り上げたベストナインの表彰もあり、先日のドラフト会議で指名されたところでは田嶋大樹(JR東日本→オリックス1位)、福田周平(NTT東日本→オリックス3位)、神里和毅(日本生命→DeNA2位)らが登壇。
田嶋は「この賞に恥じないようなプレーをしたい」と語るなど、すでに気持ちはひとりのプロ野球選手へと変わっていた。
遊撃手から新人王ふたり、日本代表まで輩出
さて、近年の社会人ベストナイン受賞者を見てみると、文句なしで今季のパ・リーグ新人王に輝いた源田壮亮(西武/2016年受賞)をはじめ、倉本寿彦(DeNA/2014年受賞)や戸柱恭孝(DeNA/2014年受賞)、さらに吉田一将(オリックス/2013年受賞)、小林誠司(巨人/2013年受賞)らが受賞した年のドラフトで指名されており、プロの世界でも実績を残している選手が当然ながら多い。今回受賞した3名もまた、即戦力として来季からの活躍に期待がかかる。
特に田嶋は早くから社会人No.1左腕として大きな注目を浴びていたが、それを結果で示すように同賞を受賞。同じように高卒・社会人からドラフト1位でオリックスに入団した山岡泰輔のように、1年目からのローテーション入りを果たしたいところだ。
2000年以降の受賞者で後にプロ入りを果たした選手を見ると、なかでも遊撃手に「当たり」が多いことが見えてくる。
【ベストナインを受賞してプロ入りした遊撃手】
2002年 稲田直人(元日本ハムほか)
2005年 梵 英心(前広島) ※現在は未所属
2006年 渡辺直人(楽天)
2012年 田中広輔(広島)
2014年 倉本寿彦(DeNA)
2016年 源田壮亮(西武)
今回の福田以前に、実に6人がプロ入り。なかでも梵と源田は即戦力として新人王を受賞。田中は今春のWBCで日本代表にも選ばれ、今季は自身初のタイトルとなる盗塁王と最高出塁率を獲得した。
渡辺は今季から古巣である楽天に戻り、ベテランとしてチームの精神的な支柱の役割を担うことになる。稲田は大きな実績を残すことこそできなかったが、日本ハム・横浜・楽天と3球団を渡り歩き、計9年間プレーした。この流れに、今年の受賞者である福田も乗っていきたい。
外野手は苦戦傾向…?
そうそうたるメンバーが並ぶ遊撃手に比べ、やや苦戦傾向が強いのが外野手のベストナイン受賞者だ。
外野手として同賞を受賞した選手といえば、DeNAから2位指名を受けた神里。しかし、チームには筒香嘉智に桑原将志、梶谷隆幸という不動のメンバーがおり、このリーグ屈指の外野陣に争いを挑んで勝たなければならない。
過去に社会人ベストナインを受賞した外野手というと、荻野貴司(ロッテ/2008年受賞)、大島洋平(中日/2008年受賞)、長野久義(巨人/2007年・2009年受賞)といったところがプロの世界で結果を残しているが、その他では2000年まで遡ってみても実績を残している選手が不在。単純計算ではあるが、遊撃手に比べて3倍の受賞がいるにもかかわらず、活躍者が少ないのは寂しいところだ。神里は悪い流れを断ち切れるだろうか。
古くは野茂英雄(元ドジャースほか/1989年受賞)、松中信彦(元ソフトバンク/1995年・1996年受賞)、福留孝介(阪神/1998年受賞)といった名選手が受賞してきた社会人ベストナイン。今回の受賞者からも、球史に名を残すような選手が生まれることを期待したい。
【2017年・社会人ベストナイン受賞者】
投:田嶋大樹(JR東日本)☆オリックス1位
捕:山内佑規(東京ガス)
一:喜納淳弥(NTT東日本)
二:法兼 駿(パナソニック)
三:北川利生(日本通運)
遊:福田周平(NTT東日本)☆オリックス3位
外:神里和毅(日本生命)☆DeNA2位
外:多木裕史(トヨタ自動車)
外:伊藤亮太(NTT東日本)
指:関本憲太郎(日本通運)