コラム

那須川天心にも興味津々!?オリックスの“神童”山本由伸が見据える未来

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オリックスの首脳陣も大きな期待を寄せる山本由伸(写真=舩橋諄)

どら増田のオリ熱魂!第24回・山本由伸


「山本が良いという話は聞いている」

オールスター明けのロッテ戦(ZOZOマリン)前、先発不足に悩む福良監督に報道陣から「ファームからの推薦は?」という質問が飛ぶと、ドラフト4位で入団した高卒ルーキーの名前が挙がった。

 その山本に声がかかったのは、8月20日のロッテ戦(京セラ)。すると、その試合で高卒ルーキーのデビュー戦とは思えぬ堂々としたピッチングを披露する。勝ち星こそつかなかったが、5回を投げて被安打5、奪三振7、失点1と上々のデビューを飾った。

 その中でも5回一死満塁のピンチで迎えた井口資仁との対戦を、山本は「財産になった」と振り返る。3ボール1ストライクという不利なカウントから、キャッチャー若月健矢のサインに首を振り、136キロのスライダーで空振りを奪うと、続くスライダーでサードゴロからの併殺。バッテリーを組んでいた若月を「あんなルーキーいますか?」と唸らせた。

 試合後、山本は初マウンドを「楽しめた」と語りつつ、「ギリギリ5イニングだったので、もう少し余裕を持ちたい。マウンドに上がったら緊張はなかったけど、一軍はレベルも違うし余裕がなかった」と課題を口にし、次の登板を見据えた

 そして登板間隔を空けて臨んだ8月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利を挙げる。球団にとっては平井投手コーチの現役時代以来となる23年ぶりの高卒ルーキーによる勝利。その後も抹消と登録を繰り返しながら最終的には5試合に登板、1勝1敗、防御率5.33という成績で、投球回数が5回を超えた試合は1試合もなかった。


東京経由アメリカ行き


山本には思い描く明確なビジョンがある。

「東京オリンピックに出たいし、将来はメジャーにも行きたい。そのためにも日本のトップで活躍している同級生と交流を持って、いろんな話をしたり、可能なら一緒に練習もしてみたい」

 自身にどんな目標があり、その目標に到達するためには何が必要なのかを、19歳という年齢でしっかりと考えている。

「今、テレビによく出ているキックボクサーの那須川天心選手。最近同級生だと知ったんですけど、誕生日も僕が1日早いだけで近いんですよ。試合も観ていますけど凄く強いしカッコいい。“神童”と言われている天心選手と交流できたら嬉しいですね。世界と闘っている人たちの話を聞いてみたい」

 東京オリンピック、メジャーという、プロ野球選手として描いているビジョンに続いて、那須川天心の名前が出てきたことは意外だったが、山本が色々なところにアンテナを張っていることの証左にはなる。

 ちなみに天心には、日本の格闘技を盛り上げ、キックボクシングを広めたいという思いがある。だからこそ、地上波で全国放送されるRIZINのリングで総合格闘技に挑戦している。一方の山本にも、プロ野球界を盛り上げ、オリックスというチームを広めたいという気持ちが強い。そういった意味でも、天心から刺激を受ける部分は大きそうだ。


「若手の中では由伸が抜けている」


 山本は最終戦の試合後、「フェニックスや秋季キャンプでは課題をクリアしつつ、いろいろと試してみたい」と意気込んでいたが、今年のフェニックスリーグは雨天中止が多く、山本の登板は1試合のみ。それでも、秋季キャンプ終盤に行われた練習試合(韓国・LGツインズ戦)では、150キロを超えるストレートと、鋭い変化球で与えられた1イニングを3者連続三振に斬って取り、首脳陣を感嘆させた。

「由伸は素晴らしい。パッと投げたら151キロとか152キロ。いくつかある変化球もコントロールが良いから三振が取れる。誰が上(一軍)のバッターと勝負できるかと言ったら、若手の中では由伸が抜けている」

 福良監督もこの日のピッチングを称え、「来季の楽しみのひとつ」として、山本が秘めている無限の可能性に大きな期待を寄せていた。そして、山本自身も手応えを感じている。

「今回のキャンプでは体力面を強化しました。とにかく追い込んだので、それを試合で出すことができて良かった。1年目から一軍で投げさせてもらったことで、同級生や同世代の選手をリードすることができた。高校で投げていた9回とか80球と、プロの一軍で5回を投げるのでは、プレッシャーや疲労感が全然違う。良い経験になりましたし、来年に繋がる1年でした。

まだまだ満足できるところまで来ていないので、そこまで持っていきたい。オフは初心に戻るじゃないですけど、しっかり体力作りをして春季キャンプの一軍スタートを目標に準備も強化もします」

 普段は「ピーマンが苦手」と無邪気に笑う19歳だが、描いているビジョンは明確だ。一緒に夢を追ってみたいと思わせる“神童”の未来を、しっかりと見守っていきたい。


取材・文=どら増田
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