どら増田のオリ熱魂!第25回・山崎福也
「背番号51はイチローさんの番号と思われていますが、背番号0は山崎福也と言われるようになりますので、応援してください」
12月9日に地元・埼玉で行われた、第26回「いのちを考える」読書感想文コンクール(埼玉骨髄バンク推進連絡会主催)にゲスト出演した山崎が、司会者から背番号の変更(※17番から0番に変更)について話を振られると、力強い口調で断言。出席者全員に背番号0のサインを書き、笑顔で写真撮影に応じていた。
FAで加入した増井浩俊が17番を背負い、山崎は0番に変更。個人的には、今回の番号変更にショックを受けているのではないかと思っていたが、「背番号も変わりましたし、来年はやりますよ!」と話す口調は明るく、「契約更改の会見では、背番号0でオリックスに歴史を刻むって言ってきました」と一言。その言葉からは並々ならぬ決意を感じた。
3年間の背番号17時代について、「正直に言って良い印象がなかったので。完封したこともありましたが、思い通りに継続ができない3年間でもありました」と振り返った山崎だったが、その一方で「差を縮めていけば活躍できる力はあるというのがわかった」とコメントからは自信もうかがえた。
そして、新たな番号である背番号0への思いも語ってくれた。
「正直に言うと、一桁の番号に対する憧れもあったんです(笑)。1番とかカッコイイなと思っていて、大学時代に1番を付けた時期もありました。今回0番は、僕の希望と球団の『リセットして欲しい』という希望が一致したので、良かったです」
今年はプロ初完封勝利(7月10日の日本ハム戦)を収めながらも、その前後の不甲斐ないピッチングが原因で、遠征先から大阪へ“強制送還”を2度も命じられている。今回の背番号変更は、山崎の「自分を変えたい」「強くなりたい」という気持ちの現れでもあるのだろう。
この2年間は先発とロングリリーフを行き来する起用が続いているが、その調整が与える影響について尋ねると、「開幕はロングリリーフからスタートし、昨年もロングで結果は残していました。それは問題ないです」と否定。その上で、「先発をやりたい気持ちがないと言えば嘘になる」と、先発への思いも口にした。
しかし、山崎が先発1本でやっていくためには、先発ローテーションの6番手ではなく、5番手以内に入らなくてはならない。オリックスでは、松葉貴大とともに数少ない先発左腕だったが、今年のドラフトで、即戦力候補の田嶋大樹やK-鈴木が入団。来季のローテ争いは熾烈を極める。
それでも山崎は前を向き、力強く断言した。
「来季の目標は先発での二桁勝利。今年はファンの皆さんに無様な姿を見せてしまったので、来年は先発でたくさん投げる試合を見てもらいたい。試合を継続して作ることができれば二桁は勝てると思うので、背番号0になった山崎福也を期待してください」。
取材・文=どら増田