楽天のルーキー・西巻賢二がパンチある打撃でアピール
楽天のドラフト6位ルーキー・西巻賢二が評価を上げている。2月6日、春季キャンプ2度目のフリー打撃で52スイングのうち5本の柵越えを披露。10日のシート打撃でも2安打と気を吐いた。もともとは50メートル6.1秒の俊足と安定した守備がウリの遊撃手だが、身長167cmと小柄ながら意外なほどのパンチ力で首脳陣へのアピールに成功している。
がっちりした体格の選手が大半を占めるプロの世界。実際に球場で目の当たりにするプロ野球選手たちの体は、プロフィール以上に大きく感じられるものだ。選りすぐりのエリートたちが集うだけに、それも当然である。
しかし、そんな厳しいプロの世界にも“小さな巨人”たちは少なくない。身長170cmにも満たない小兵ながら、一線で活躍をする選手たちを挙げてみる。
【一軍で活躍する主な小兵選手とその2017年個人成績】
・谷元圭介(中日/167cm)
54試合0勝3敗1S 27H、防御率4.26(※)
※前所属球団の日本ハムと中日での成績を合算
・石川雅規(ヤクルト/167cm)
23試合4勝14敗、防御率5.11
・美馬 学(楽天/169cm)
26試合11勝8敗、防御率3.26
・柴田竜拓(DeNA/167cm)
88試合、打率.233、1本11打点1盗塁
・西野真弘(オリックス/167cm)
100試合、打率.234、2本21打点8盗塁
野球少年のためにも小柄選手の活躍に期待
石川雅規(ヤクルト)はプロ17年目を迎えた大ベテラン。直球は最速でも140キロ台前半とプロの世界ではそれほど速くはないが、多彩な変化球を武器に長年にわたり一線で活躍してきた。ルーキーイヤーの2002年から2017年までの16年間で投球回が100を割ったのは96回2/3だった2007年のただ一度きり。まさに、小さな鉄腕だ。
昨季、自身初の2桁勝利を挙げてチームの4年ぶりのAクラス入りに大きく貢献した美馬学(楽天)。身長は169cmだが、いかにもプロの投手らしいどっしりした下半身が生む爆発力により直球は最速153キロに達する。打者の内角を突く強気の投球、負けん気の強さも持ち味だ。
プロ2年目だった昨季、急成長を遂げたのが柴田竜拓(DeNA)。堅実な守備を武器にシーズン半ばから見事に二塁レギュラーの座を奪った。しかし、今季は阪神から球界随一の守備力を誇る大和が加入し、勝負の年を迎える。伸び盛りの24歳が激化する二遊間のポジション争いを勝ち抜けるか。
将来のプロ野球選手を夢見て白球を追っているのは、体格に恵まれた野球少年ばかりではない。多くのプロ野球選手が目標として語る「子どもたちに夢を与える」という点からすれば、ぜひとも“小さな巨人”たちの活躍に期待したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)