コラム 2018.02.21. 12:10

経験豊富な新人、平野と牧田にかかる期待

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ブルペンで投球練習するダイヤモンドバックス・平野=スコッツデール

クローザー候補として


 野手が加わり、本格的にキャンプが開始したメジャーリーグ。今季から新たに加わった日本人選手では、エンゼルスと契約した二刀流の大谷翔平が大きな注目を集めているが、ダイヤモンドバックスに入団した平野佳寿、パドレスに入団した牧田和久も、それぞれのチームがレベルアップするための貴重なピースとして迎えられている。

 昨季93勝(69敗)し、ワイルドカードでプレーオフに進出したダイヤモンドバックス(ナ・リーグ地区シリーズでドジャースに敗退)は、選手に大きな変更がなく、昨季をともに経験したチームでさらなる向上を目指している。そんな中、昨季39セーブを挙げたフェルナンド・ロドニーがフリーエージェントでツインズに移籍。穴が空いているポジションの1つが、クローザーだ。

 その穴を誰が埋めるのかをこのトレーニングキャンプで見定めていく。平野とともにクローザー候補に挙がっているのが、アーチー・ブラッドリーとブラッド・ボックスバーガー。まだ25歳の右腕ブラッドリーは、昨季63試合に登板し、計73イニングで防御率1.73という期待の若手だ。

 一方、このオフにレイズから獲得した7年目の右腕ボックスバーガーは、昨季故障のため30試合(29回1/3)の登板に終わったが、その中で40個の三振を奪って防御率は3.38。オールスターに選ばれた2015年にはア・リーグ最多の41セーブをマークしている。

 マイク・ヘーゼンGMは、クローザーとして日本で実績を残してきた平野の存在について、「彼は最後に投げるという役割を長い間経験しているし、試合の終盤に投げるだけの武器を持っている。彼の存在は試合終盤の選択肢をトーリ(ロブロ監督)に与えたいという我々の考えにぴったり合っている」と期待を寄せる。

 平野本人はというと、ダイヤモンドバックスのキャンプ地でもあるアリゾナ州スコッツデールでの入団会見で、クローザーへのこだわりについて聞かれ、「やはりクローザーというのが、中継ぎのピッチャーの中で一番評価も高いと思うので、そこを任されるのが一番信頼されているということだと思う。少しでもそういうポジションにつけるように頑張っていきたい」と意欲を見せた。

 来月5日には34歳となるが、「この歳が落ちるとかまだまだそういうことは考えていない。伸びていくことも可能だと思っている」。新天地でさらなる成長を目指している。


指揮官からの高い評価

牧田和久

 昨季のワイルドカードゲームを含め、3チームがポストシーズンに進出したナ・リーグ西地区において、他チームに追いつき、追い越そうとしているのがパドレスだ。

 そのチームに「ワールドシリーズチャンピオンになるための1つのピースとしてやってきた」のが、牧田和久。キャンプ開始前からアンディ・グリーン監督に好印象を与えている。

 キャンプのレポート日前日、グリーン監督は牧田について、「昨日彼のブルペンを見て、非常にエキサイティングになった」と笑顔を見せ、「西地区のヒッターには見慣れないユニークな投げ方で、そう簡単に対応できるものではない。彼がブルペンに加わってくれることを嬉しく思う」と話した。

 グリーン監督の牧田評は止まることなく、マーリンズのアンダースロー、ブラッド・ジーグラーと比較し、「ジーグラーはストライクゾーンの低めに行くことがほとんどで、すべてが沈む。でも牧田は高めも低めも投げる。アンダースローでゾーンの高めに投げるピッチャーはそういない。メジャーリーガーは、ああいうピッチャーに慣れていない」と話し、「隠しておきたいから」とオープン戦で同じ西地区のチームと当たる時は、若手選手が出てくる試合終盤で使う計画であることを明かした。

 すでに起用の想定もできているようで、「彼は今季、色々な状況で投げることになる。大事な場面でボールを渡されることにもなる」と期待は大きい。

 もっとも、牧田自身は冷静で、グリーンの「隠しておきたい」発言に関しても、「いずれは戦うので、その辺は全然気にしていない」と話す。ただグリーン監督はじめ、AJプレラーGMらから評価されていることは感じているようで、「期待に応えられるようにしていきたい」と気を引きしめた。

 ともに日本で十分な経験を積み、WBCなどを通してアメリカの野球とも関わってきたベテラン。国も環境も変わった新天地で積極的にチームメイトに加わり、理解できなくても英語での会話に入り込もうとする姿勢は頼もしい。

 まもなくオープン戦も開始する。いよいよ戦いの場に出る2人が、どのようなプロセスを踏んで開幕戦を迎えるのか、注目していきたい。


文=山脇明子(やまわき・あきこ)
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