注目度No.1ルーキーの気になる初打席
今年のプロ野球界で一番の注目を集めている選手と言えば、なんといっても日本ハムのゴールデンルーキー・清宮幸太郎だろう。
オープン戦ではここまで快音は聞かれないものの、開幕一軍・開幕スタメンへ向けて奮闘中。本人も「調子が悪い感じはない」と語っているように、まずはきっかけとなる1本がほしいところだ。
ほかにもオープン戦初安打をサヨナラ打で飾ったロッテの安田尚憲など、今季は1年目から楽しみな高卒ルーキーが多い。デビューまでの一挙手一投足に注目が集まるが、そのピークとなるのはプロ入り初打席だろう。
多くのファンはヒットはもちろん、欲を言えば本塁打を期待する。プロ野球人生において最初で最後の打席だけに、どんな結果になるか大きな注目を集める打席だ。ここでは、初打席で本塁打を放った選手たちにはどんな選手がいるかを調べてみた。
歴代の初打席本塁打の選手たち
調べてみたところ、公式戦の初打席で初本塁打を記録した選手はなんと61人を数えた。まずはその選手たちを見てみよう。
【初打席初本塁打達成者】
金光彬夫(朝日)※
戸倉勝城(毎日)
塩瀬盛道(東映)
高木守道(中日)
ハドリ (南海)
後藤忠弘(近鉄)
相川 進(中日)※
スチュアート(大洋)
小室光男(西鉄)※
山村善則(太平洋)※
バチスタ(ロッテ)
ミッチェル(日本ハム)
中井康之(巨人)※
香川伸行(南海)
ハンプトン(近鉄)
駒田徳広(巨人)
森 厚三(広島)
阿部慶二(広島)※
村上信一(阪急)※
青島健太(ヤクルト)※
米村 明(中日)
デシンセイ(ヤクルト)
イースラー(日本ハム)
呂 明賜(巨人)
広永益隆(ダイエー)※
ディステファーノ(中日)
林 博康(ロッテ)※
佐伯秀喜(西武)
ブラッドリー(巨人)
森田幸一(中日)
シュルジー(オリックス)
マーシャル(日本ハム)
ミッチェル(ダイエー)
稲葉篤紀(ヤクルト)
出口雄大(巨人)
小野公誠(ヤクルト)
福留宏紀(オリックス)
ボーリック(ロッテ)
ポール (西武)
広池浩司(広島)
ナナリー(オリックス)
ショーゴー(中日)
塀内久雄(ロッテ)
野口祥順(ヤクルト)
オーティズ(オリックス)
比嘉寿光(広島)※
加治前竜一(巨人)
ブランコ(中日)
福田永将(中日)※
ランドルフ(横浜)
森田一成(阪神)※
マルハーン(西武)
ロペス (巨人)
加藤翔平(ロッテ)
西浦直亨(ヤクルト)
メヒア (西武)
乙坂 智(DeNA)※
ペレス (楽天)
広岡大志(ヤクルト)
バティスタ(広島)※
細川成也(DeNA)
(※は代打本塁打によるもの。所属球団と登録名は当時)
こうして見ると、意外な選手たちが名を連ねている印象。この中で通算本塁打が最も多いのは、現在侍ジャパンを率いている稲葉篤紀の261本となっている。
稲葉に続くのが、2013年まで中日ドラゴンズの監督を務めていた高木守道。達成者を見ると、純然たるスラッガーというよりも中距離打者が記録しているケースが目立つ。
また、個性満点のデビューを飾ったのは駒田徳広だ。デビューこそプロ入り3年目の1983年と出遅れたが、この年の開幕2戦目に迎えたプロ入り初打席を満塁で迎えると、相手先発の右田一彦からグランドスラムを放った。プロ野球史上初となった初打席満塁弾は後に「満塁男」と称された駒田らしいデビューと言えるだろう。
そして、初打席本塁打を記録した現役選手は外国人選手も含めて9人。そのなかには今季ブレイクが期待される福田永将や広岡大志、細川成也らが名を連ねている。清宮や中村、安田らのルーキーの初打席はもちろんながら、プロ入り初打席本塁打を記録した彼らの今後にも注目したい。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)