1番起用の大抜擢に応えたDeNA・神里
4月1日のヤクルト戦でDeNAのドラフト2位ルーキー・神里和毅が大抜擢に見事に応えた。前日に二塁打を含む2安打1打点を挙げたことを評価され、この日は昨季全143試合で1番に起用された桑原将志に代わって先頭打者で出場。
3回、ヤクルト先発・由規から左翼フェンス直撃の二塁打を放つと、桑原の犠打で三進し、続く筒香嘉智の一ゴロの間に先制のホームを踏んだ。初回には四球を選んで出塁し、二盗を決めてプロ初盗塁をマーク。リードオフマンとしての役割をきっちりと果たした。
12球団最多、3人の新人が開幕一軍を勝ち取ったDeNA。ドラフト7位の宮本秀明、ドラフト8位の楠本泰史も3月30日の開幕戦で代打としてデビューを果たし、かつての暗黒時代を抜け出して徐々にチーム力を上げてきたDeNAのチーム内競争が激化している。
もちろん、他球団でも初々しい新人たちが続々と一軍デビューを果たしている。この日のロッテ‐楽天戦では、開幕戦でいきなり3安打の“猛打賞”デビューとなったロッテのドラフト2位・藤岡裕大と、2戦目の初回に三塁打で初打点を挙げたドラフト4位・菅野剛士がそろってタイムリーをマーク。外国人不在のロッテ打線のなか、ふたりの新人が存在感を示している。
また、巨人と阪神の一戦では巨人にドラフト3位で入団した大型捕手・大城卓三が、前日までの2試合で“打率10割”の小林誠司に代わって初スタメン。期待されるバットからは快音は聞かれなかったが、西武からFAで巨人入りした野上亮磨の移籍後初勝利にリードで貢献した。
オリックス・田嶋が新人一番乗りの初白星
さらに、投手では中日のドラフト1位・鈴木博志が圧巻のデビュー。4月1日の広島戦で8回から3番手として初マウンドに上がると、1回を2奪三振含む三者凡退締め。この日の最速は155キロ。150キロ台を連発する前評判通りのストレートで広島打線を翻弄してみせた。
前日の3月31日には、鈴木と同世代の田嶋大樹(オリックス・ドラフト1位)が12球団新人一番乗りとなる初白星をマーク。昨季の王者・ソフトバンク打線を相手に5回を投げて1失点。初回に川島慶三に先制本塁打を打たれたものの、その後は1安打も許さない見事なピッチングで初勝利を飾った。
開幕前には、現有戦力、そして移籍組と助っ人外国人という補強戦力でシーズンを予想しがちだが、若く強力な即戦力ルーキーこそ最大の補強といえる。彼らの活躍次第では多くの評論家たちの戦前予想もひっくり返ることとなるだろう。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)